ダーウィンが信じた道―進化論に隠されたメッセージ

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  • サイズ B6判/ページ数 609,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784140813812
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0040

内容説明

世界を揺るがした、科学史上もっとも重要な発見のひとつである「進化論」。この理論が生み出された陰には、いったい何があったのか?キリスト教社会に背いて研究を続けるほど、ダーウィンを駆り立てた熱い思いとは?新たに見直された若き日の草稿、書簡、自筆ノートから、ある強い信念があぶり出される。崇めるにせよけなすにせよ、21世紀になった現在でも避けては通れない人物、それがダーウィン。聖人でも悪魔でもなく単なる科学者でもない、人間としての彼の姿に世界的研究家が迫る!新たなダーウィン像の決定版。

目次

ダーウィン像を見直す
陽気で知的な黒人の先生
博物学、解剖学、骨想学
「万物の父は全人類を一つの血でつくられた」
奴隷の国々を旅して
人間から出発した進化論
人種差別「科学」の台頭
古き良き貴族社会の幻惑
家畜と奴隷制度
アガシよ、恥を知れ!
人類の血にひそむもの
人道主義を秘した科学
アメリカの南北戦争とロンドンの論争
人種の由来

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

GASHOW

5
ダーウィンの科学の功績は大きい。格差社会の勝者は、適者生存という言葉を使い、優生学にも似た選ばれた人類になろうとしている。200年前は、人種の祖先は共通とは考えていない。奴隷の大量虐殺がおこなわれていた。ダーウィンは、進化を紐解き、人権を啓発した。地動説を唱えるように、奴隷の間違いを示す使命を感じていたようなのだ。人権が叫ばれるのは、その後100年かかる。弱い者が滅びれば良いという思想は、また現れてきている。人類は、もう一度進化を見直すタイミングなのかもしれない。2018/11/27

Majnun

3
最近、あまりの読みにくさに途中で放り投げていた円城塔の「屍者の帝国」をやっと通読して、はて、どこかでみた筋立てだなと思ったら、この本の民族学会と人類学会の確執によく似ていたんだ、と思いあたって、確かめるためにパラパラ読んでいたらはまっちゃって結局通読してしまった。 19世紀末が時代の大きな変わり目で、その起点となったのが「奴隷制廃止」であった、というこの本の基本思想は、近年の英国の覇権の起源を産業革命よりも奴隷貿易の収益に見る新しい経済史観と共通している。 その英国も人道的視点から、その大きな収益を捨て2014/06/23

Rootport Blindwatchmaker

2
『ダーウィン 世界を変えたナチュラリストの生涯(1999年、工作舎)』は、彼の伝記の決定版だ。が、あちらの本では事実の羅列が多く、ダーウィンが「どのように」進化論に至ったのかは分かっても、「なぜ」それを生み出そうとしたのかは分からないままだった。同じ著者が、謎に包まれたダーウィンの動機を「奴隷解放」の文脈で捉えなおしたのが本書。彼の一家は、祖父の世代から奴隷制を憎み、解放運動に身を投じ、人類は〝共通の祖先〟を持つ兄弟姉妹だと信じていたのだ!チャールズ・ダーウィンという人物の人間性、奥深さを感じられる一冊。2017/10/17

_pikopon

1
面白かったけど伝記としては傍系な内容。奴隷制や人種主義(への反対)と自然選択・性選択の理論構築の関係について。2009/07/25

メルセ・ひすい

0
訳不良2009/08/29

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