内容説明
虚無と孤独の底から立ち上がる表現への渇望、自由への意思。孤高の写真家をめぐり静かに深まりゆく作家の言葉。
目次
1章 白は虚無、黒は傷跡(スカンノの少年;心と躯に刺青を彫りこまれる;「想像への入り口」としてのモノクローム;あらかじめ詩人である男が見る異界;化生)
2章 「時間」との永遠のたたかい(「時間の強制」からの離脱;識閾から見る風景;世界はそこに実在するのか;Partition)
3章 生に依存した死、死に依存した生(死にゆく者の側から撮られた風景;「死」とむきあう空間のにおい;「見ること」と「見られること」;「死ぬのもむずかしいのよ」;夜行列車(抜粋))
4章 資本、メディア、そして意識(「無意識」に入りこむ資本;映像と資本の腐れ縁;資本はジャコメッリさえもとりこむ;倒錯した状況のなかで;解体)
5章 解かれなければならない「謎」、解いてはならない「謎」(謎と自由;表現者はいかにして資本と権力から自由でありえるか;ジャコメッリという人間の手ごたえ;帰結のむこうにはじまりがある)
箱写真屋とジャコメッリ―あとがきにかえて
著者等紹介
辺見庸[ヘンミヨウ]
1944年宮城県石巻市生まれ。70年、共同通信社入社。北京特派員、ハノイ支局長、外信部次長、編集委員などを経て、96年退社。この間、78年、中国報道で日本新聞協会賞、91年、小説『自動起床装置』(文藝春秋、文春文庫、新風社文庫)で芥川賞、94年、『もの食う人びと』(共同通信社、角川文庫)で講談社ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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かふ
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