チェルノブイリの森―事故後20年の自然誌

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 381p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784140811818
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0098

内容説明

放射能に汚染されて巨大化したゴキブリやネズミが、荒廃した土地をはいずり回る―それはSFの中だけの話だ。チェルノブイリ原子力発電所事故から20年、人体には危険すぎる周辺地域は、動物が棲息する森に変わっていた。しかしその土地は、いまなお汚染されているのだ。ウクライナ系アメリカ人ジャーナリストが、汚染におびえつつも立ち入り制限区域に入り取材を重ねた、決死のルポルタージュ。

目次

第1章 チェルノブイリとニガヨモギ
第2章 チェルノブイリの四季
第3章 ベラルーシの鳥
第4章 核の聖域
第5章 自然に帰る
第6章 苦よもぎの水
第7章 定住する人びと
第8章 「不自然な自然」の将来

著者等紹介

マイシオ,メアリー[マイシオ,メアリー][Mycio,Mary]
ウクライナ系アメリカ人のジャーナリスト。ニューヨーク大学で生物学と法学を専攻。1989年、キエフを基点にチェルノブイリ原子力発電所事故後の現場取材を開始。その後、「ロサンゼルスタイムズ」紙のキエフ特派員となる。事故が環境や健康におよぼした影響に関する資料を大量に収集し、立ち入り制限区域をたびたび訪れ詳細な報告を行っている。現在はキエフに住み、ウクライナ人新聞記者のための、「国際研究交流ボード・ウクライナ―報道・法律・防衛・教育プログラム」の責任者を務める

中尾ゆかり[ナカオユカリ]
1950年生まれ。西南学院大学文学部卒業、現在翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カザリ

48
栃木に住んでいるので、フクシマまではすぐに行ける。ゴーストタウンになってしまった町をそろそろこの目でみなくては、と思う時期になった。とにかく、森と自然の再生力は広島を見てもわかる。しかし、その再生力は完全ではない。自然とどう共生するのか、テクノロジー、欲望とどう共生していくのか、かんがえなくては。2015/08/29

蘭奢待

31
1986年、チェルノブイリ原発事故。20年後の現場と周辺地域のルポ。2002年まで原発は稼働していたとのこと。意外。いろいろな放射能関係の単位が登場し、あまり実感がわかないが、20年後のチェルノブイリは立ち入り禁止となっているベラルーシ、ウクライナに広がる草原は自然の宝庫となっていた。放射能に高度に汚染された区域が美しい自然環境となっていることに皮肉を感じる。筆者は原発反対派であったが、今では容認しているとの記述が冒頭にあり。その理由や経緯がかかれておらず残念。 2019/02/11

雲をみるひと

23
チェルノブイリ原発の事故から15年ほど経った時点での現地状況について研究したもの。エリア内地質や水への放射性物質の残存状況、動植物や人の活動が詳しく書かれている。放射性物質の解説は含まれているが全体的には原発事故により周辺地区が自然を取り戻したことが淡々と書かれていて学術的な内容でもないので読みやすい。個人的にはモウコノウマをエリアに放った話が特によかった。2021/05/31

更紗蝦

9
原発事故によって放出された放射性物質が、環境の中でどのように拡散・濃縮・循環していくのかがよく分かる、ルポルタージュです。チェルノブイリの水の汚染(川や湖や地下水)の酷さを知るにつけ、水の豊富な日本では一体どうなってしまうのか・・・と、慄然としました。(元々、日本では原発事故以前から、ゴミの埋立地の浸出水問題がありますし。) 放射能汚染の実態は悲惨ではありますが、人間がいなくなったチェルノブイリで、植物や動物が繁栄しているという事実は、地球という星の中における人間の存在について、考えさせられます。 2014/03/17

maimai

6
チェルノブイリ原発事故から大量の放射能が漏れ出してから、いま現在は森になっている。この森は死の森と呼ばれ畸形生物の住処となっている。ロシアの生物化学兵器爆破事故も新しく、生物兵器は貧者の核兵器と呼ばれるようにbusiness化しているのも現状である。ロシアでは一体何が起こっているのか。Vladimir Putinは元諜報員でありスパイ活動に関する報告もされている。世界が米中に着目する中ロシアの動きが気になる。生物兵器なんて開発されてる訳ないは日本の考えであり、北朝鮮のミサイルには生物兵器が積まれている。2020/12/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/2783
  • ご注意事項