子ども兵の戦争

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  • サイズ B6判/ページ数 315p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784140811160
  • NDC分類 393.2
  • Cコード C0031

内容説明

いま世界中の戦場で、子どもの兵士が前線に立っている。大人よりも安上がりに勇敢な兵士になるという理由で、軍や武装組織が好んで子どもを徴兵するためだ。紛争地域に派遣された国連平和維持部隊でさえ、小中学生の年ごろの兵士に銃口を向けなくてはならないのが現実だ。子ども兵の実態を明らかにし、変容が進む「戦争のかたち」をあぶり出す衝撃のリポート。

目次

第1部 戦場の子どもたち(子どもと戦争;世界各地の子ども兵)
第2部 なぜ子ども兵が存在するのか(根底にある原因;子どもたちはこうして軍隊へ;子どもを兵士に変える ほか)
第3部 子どもの兵士をなくすために(子どもを兵士にさせない;子どもと兵と戦う;兵士を子どもに戻す ほか)
補遺 武力紛争への子どもの関与に関する子どもの権利条約の選択議定書

著者等紹介

シンガー,P.W.[シンガー,P.W.][Singer,Peter Warren]
米ブルッキングズ研究所上級研究員。同研究所の対イスラム世界外交政策研究責任者。子ども兵問題について米軍の顧問を務めている。1997年プリンストン大学卒業ののち、ハーバード大学で政治学博士号を取得。戦争の民営化を鋭く分析した前著『戦争請負会社』(NHK出版)はイラク戦争をきっかけに世界中のメディアの脚光を浴びた

小林由香利[コバヤシユカリ]
翻訳家。東京外国語大学英米語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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くらびす

21
911の後、日常が即戦線となりうる脱領域型の暴力の時代に移行、戦場が遍在するようになったと言われるようになって久しい。しかし、そもそも国家によって組織された暴力同士の衝突もここ数世紀の話でしかなく、人類の歴史は戦争の歴史という紋切りも、その内実は改訂と意味そのものの指向性が定まらずあてにはならない。確かなのはボーダーを崩そうという試みは常に試みられるが一定の深度で断ち切られ、決定的なところで顧みてはこられなかった。誰もが最悪の手合いだ。こうして自らの時代を特権視して晦渋に落とし込もうとする手合いは特にだ。2014/10/04

スー

17
134子供兵が近年増えているが過去に存在したのか?なぜ子供兵が増えたのか?子供兵を使う利点は?使う事で戦争に変化はあったか?子供をどうやって集め訓練するのか?昔は重い鎧と技術を要する弓・槍・剣を使用するので道徳的にも肉体的にも子供を戦闘に使えなかった、しかし軽くて扱い易い小銃の登場で子供でも戦えるようになった。子供兵は報酬や長い訓練を必要としない為、安価な戦闘要員で大人の兵士を守る為に地雷原や戦闘を歩かせ弾避けに使われたり大きな声や音を出して歩かせ囮に使われたり敵の油断を利用して偵察・物資の運搬に使われる2019/09/13

tsuneki526

12
アニメやSFの世界では子供が戦闘に身を投じながら普通の生活を送っていたりするが、現実はそうではない。子供を戦争の道具に使い、しかも使い捨てるという考え方に戦慄をおぼえる。そして今この瞬間にも子ども兵は戦場にいるのだ。こどもたちをふつうの生活に戻すのは手間暇のかかる仕事であり、子どもを兵士に使わせないための働きかけはいかにも頼りない。けれども、結局はこのような地道な方法でしか解決できないところが、子ども兵が今でも存在する理由なのだろう。2019/01/08

犬養三千代

9
2006年6月25日発行の本。  12年も前の本だが現在でも報道されることは少ないが、戦争がアフリカ·中東·アジアなどである限り子ども兵は無くならない。戦争による家族離散、貧困からてっとり早く「食べる」手段なのは悲しい。女の子はなお悲惨だ。 冷戦が終わり、カラシニコフが出回り子どもでも扱えるようになったのが遠因。政府軍も反政府軍も同様。 全く知らない現実に愕然としため息でした。2018/03/21

ハジメ

6
ふとこういう本を読んでしまうと,少年兵が活躍する映画・アニメ・漫画に対して過敏な反応をとってしまう。空想の世界でこそ賛美される在り方があり,実情は醜悪な実態しか存在しない。そういうコンテンツが必要とされる日本は平和なのだと認識する一方で,紛争地帯での悪夢が終わる日を一日でもはやくと考える。どこかジョージ・オーウェルの「二重思考」のような矛盾を抱えている気分だ。正義の戦争より不正義の平和……と押井守の映画にあるがやはり平和が良い。2012/10/11

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