戦争請負会社

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  • サイズ B6判/ページ数 485p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784140810101
  • NDC分類 390
  • Cコード C0031

内容説明

国家の軍事業務を代行する、それが軍事請負企業だ。冷戦終結後、各国が軍縮に向かい、軍務の外注化を進めると、請負業界は大きく成長した。業界の市場収入は、年間1000億ドルにも上る。非合法の取引、政治家との癒着などあまりにも不透明な軍事請負業の全貌を、米ブルッキングズ研究所の気鋭の研究者が初めて明らかにする。

目次

第1部 勃興(戦争民営化の時代か?;軍事民営化の歴史;民営軍事請負業を見分ける;なぜ安全保証が民営化されたか?)
第2部 組織と活動(世界に広がる軍事請負業;民営軍事請負企業の分類;軍事役務提供企業 エグゼクティブ・アウトカムズ社;軍事コンサルタント企業 MPRI社;軍事支援企業 BRS社)
第3部 さまざまな問題(請負契約のジレンマ;市場力学と安全保障の世界的崩壊;民間企業および文民と軍人の均衡;公共の終焉は民営軍事か;道徳と民営軍事請負企業;結論)

著者等紹介

シンガー,P.W.[シンガー,P.W.][Singer,Peter Warren]
1997年プリンストン大学卒業。2001年ハーバード大学で政治学の博士号を取得。現在は米ブルッキングズ研究所国家安全保障問題研究員、同研究所対イスラム世界外交政策研究計画責任者を務める。また、「ボストン・グローブ」、「ニューヨーク・タイムズ」など新聞各紙に寄稿するほか、ABC、BBC、CBSなどのテレビ番組にコメンテーターとして出演している

山崎淳[ヤマザキジュン]
1937年札幌に生まれる。英米のノンフィクション、幻想文学などの翻訳を手がける。また峯崎淳のペンネームで、歴史小説『大欲―小説河村瑞賢』(講談社)も上梓している
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スー

20
79平成16年出版の古い本ですが民間軍事会社について知りたくて読みました。傭兵の活躍から全盛期そして衰退し再び形を変え傭兵が活躍する歴史の流れと何故今軍事が民間会社に委託されるようになったか?民間会社を使う利点と欠点と有名な3社の解説で分かりやすくなってます。古代は戦争は数より技術と知識が有利だったので傭兵が活躍するようになるがマスケット銃などの登場で簡単な訓練で戦える様になると傭兵は衰退していく、しかしまた戦争も専門知識や技術が必要になりそこを民間軍事会社が請負事になった。2022/09/13

masabi

10
【概要】民間企業でありながら軍事サービスを提供する民間軍事会社を解説する。【感想】弱小国軍に戦略、訓練を提供し先進国並の軍隊に変身させる華々しい成功を収める一方で、戦争犯罪に加担するなど賛否両論ある。だが、それなしでは軍事作戦や人道支援が成功しないほど比重を占めている。軍事面の民営化、政府の志向する政策と実行能力のギャップを埋める存在ではあるものの、監視や規制が十分に制度されていない点に不安が残る。当然ながら現代でも戦争や軍事作戦に従事する国家の出身者で構成されている。2020/09/03

coolflat

9
PMFとは戦争と深く関連する専門的業務を売る営利組織のことである。PMFは冷戦崩壊後、紛争が世界中で激増したことによって生まれたが、冷戦崩壊による軍隊の削減と国家の消滅によって兵士に余りが出て、その余剰軍事労働力がPMFへと流れ、PMFは膨張していくわけである。また余った武器が市場に流れたこともPMFが勃興する一助になっている。PMFに限ったことではないが、こうした民営化は、民主主義を回避する役割を果たしている。なぜなら政府機構の外にある民間企業だということで、国民など第三者の監視を難しくするからである。2014/12/19

Katsuto Yoshinaga

8
“フリーランス”という言葉の語源は、直訳どおりの“自由な槍”つまり個人で仕事を請け負う傭兵を指していたそうだ。仕事としての戦争(軍事)が普通に認識されている欧米の感覚を教えられる。さらに、かつての日本(戦国時代~徳川初期?)は傭兵の一大供給地であったとか、ウクライナの航空系民間軍事会社の記述とか、軍事に対して知らなかったことばかりで、冒険小説読みとしてはかなり勉強になる。こんなところは枝葉末節で、本筋はPMF(PMC)の成立起源/背景と2000年代初までの状況が記され、読み応えのある一冊。(コメに続く)2023/09/17

フロム

6
軽めな表紙に反して、中々読むのが大変な大著。2ヶ月以上かかってしまった。本著の最大の魅力は民間軍事会社を「善」又は「悪」と単純に割り切らずに良い面も悪い面も多角的に分析し将来的な展望まで述べている点にある。特に「功」の部分をキチンと書いてあるのがありがたい。04年初版らしいが今読んでも全く古びる所か著者の分析力の鋭さに舌を巻くばかりである。これ一冊でOKとは思わないがかなり網羅的な本なので一度は手にとって見ても損はない。それにしても民間軍事会社は考えれば考えるほど面白い存在である。2016/01/05

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