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内容説明
滋賀県下に蒔かれた一粒の椎の実が、風雪の中で大きな椎に生長していく。日本の重症障害児福祉の草分け「近江学園」の建設史であるこの書は、自からの人間形成を語った著者の心の唄でもあろうか。戦後二十年をふり返って、挫折や消沈の日々に何を考え何をしようとしたかを糸賀さんは卒直に語っている。陽の目を見ない場所で障害児と共に暮す著者の眼は温かく鋭い。糸賀人生読本であると同時に、日本の社会福祉事業の貧困を深く考えさせる告発の書でもある。
目次
1 友垣―近江学園前史(二人の偉大な教育実践家との出合い;二人の恩師 ほか)
2 誕生―近江学園草創期(趣意書;建物の接収 ほか)
3 発展のなかの危機(椎の木会の結成;生産教育の現場 ほか)
4 一隅を照らす灯(共感;年長児対策とコロニーの建設 ほか)
5 重症心身障害児のすくい(お子たちをよろしく;杉の子組の編成 ほか)