内容説明
経済破綻と一党独裁による軍事化が進むディストピア。誰もが信用度や性的魅力を数値化され、手元の端末でプロフィールを検索される評価経済社会。本という“過去のメディア”を愛し、不死を夢見る冴えない（性的魅力が最低ランク）のレニーと、家族と自分の幸せを求めてあがく美しきユーニスが出会う。ニューヨークタイムズ年間ベスト作品
著者等紹介
シュタインガート，ゲイリー［シュタインガート，ゲイリー］ ［Ｓｈｔｅｙｎｇａｒｔ，Ｇａｒｙ］
１９７２年レニングラードに生まれ、７年後にアメリカに移住。デビュー小説Ｔｈｅ Ｒｕｓｓｉａｎ Ｄｅｂｕｔａｎｔｅ’ｓ Ｈａｎｄｂｏｏｋはスティーヴン・クレイン賞の処女小説部門と全米ユダヤ図書賞の小説部門を受賞。二作目となるＡｂｓｕｒｄｉｓｔａｎはニューヨークタイムズ・ブックレビューとタイム誌で年間最優秀図書１０冊のひとつに選ばれ、ワシントンポスト・ブックワールド、サンフランシスコ・クロニクル、シカゴ・トリビューンなど多くの紙誌で年間最優秀図書に選出された。三作目となる『スーパー・サッド・トゥルー・ラブ・ストーリー』も、ニューヨークタイムズ・ブックレビューで年間最優秀図書１０冊のひとつに選ばれたほか、４０以上の紙誌で年間最優秀図書に選出されている
近藤隆文［コンドウタカフミ］
翻訳家。１９６３年静岡県生まれ。一橋大学社会学部卒（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
126
ディストピア小説は、その作られた世界、本来ならありえない世界にすっと入り込めるかで、自分の中の評価がわかれる。例えば、「ブレードランナー」や「侍女の物語」なら、その有り得ない近未来をともに体験し、その結果として消耗し、強い印象は読んだあともリアルにあり続ける。この作品には、それがまったくなかった。訳に使われる言葉の選び方も一因かもしれないが、ぶっ飛んだ感じだけが表に出てきている。New York Times紙が年間一位に選んだポイントはどこ？というのが、読み進める原動力だったが、もう信じないぞ(^^;2021/01/07
GASHOW
6
ストーリーを楽しむというよりも、キャラクターのトークを聞いてたのしむようなスタイル。評価が分かれる作品だと思う。僕は好きじゃない。2020/06/30
勉誠出版営業部
4
装丁がカラフルな、ゲイリー・シュタインガートの『スーパー・サッド・トゥルー・ラブ・ストーリー』を読了。過去のメディアを愛する冴えないアラフォー男子と、若くてかわいらしい韓国の女の子の恋愛を中心にしたSF。固有名詞を多く出してきているところや、とっちらかしているようで、どことなく緻密な計算に基づいているような文体といい、トマス・ピンチョンを彷彿とさせる。本国アメリカで年間ベストに選出されたというのも納得。2016/07/09
だけど松本
3
確かに悲しい。いろんな愛がある。ちょっとSFで、でもここ数年のアメリカの姿から生まれたお話なんだろうなという現実を映したものでもあるんだろうと思う。盛りだくさんで面白いとも思えるんだけど、悲しい気持ちになる。2021/09/28
夜キチ
2
生と死の間に唯一割り込むことのできるもの(愛)についてのちょっと悲しくてすごくリアルな物語。2014/04/05
