内容説明
二人の女性の波乱万丈の生涯を通して、大奥がいかにして作り上げられ、徳川による泰平の世がもたらされたのかを描く、書き下ろし歴史小説。
著者等紹介
植松三十里[ウエマツミドリ]
静岡市出身。昭和52年、東京女子大学史学科卒業後、婦人画報社編集局入社。7年間の在米生活、建築都市デザイン事務所勤務などを経て、フリーランスのライターに。平成15年『桑港にて』で歴史文学賞受賞。平成21年『群青 日本海軍の礎を築いた男』(文藝春秋)で新田次郎文学賞受賞。同年『彫残二人』(中央公論新社)で中山義秀文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤枝梅安
29
大河ドラマ「お江」の関連図書。いきなり出産シーンから始まってたじろぐ。家光の誕生、お福が家光の乳母として江戸城に上がり、家光を守り続ける姿。やや誇張があるかもしれない。家光に男児ができないことに危機感を抱き、様々な策略をめぐらす。家光の衆道(男色)を逆手に取り、女中を男装させて送り込むなど、「えげつない」やり方で盲目的に家光を愛した女性として描かれている。これまで書かれてきた小説や解説をなぞっただけの、小説と言うより新書のような内容で、物足りなさが残る。2012/07/08
ひなぎく ゆうこ
5
★★★☆☆2022/07/06
はちこう
4
大奥に関する本を今まで全く読んだことがなかったが、大変面白く読ませていただいた。親子が引き割かれる様々な場面が描かれるが、毎回涙腺が緩んだ。江戸幕府が長期間にわたって安定したのは、お江はもちろんだが、お福(春日局)とその息子(千熊-稲葉正勝、常盤丸-正利)の貢献も大きい。とても個性が強い竹千代(家光)に対する、お江とお福の気苦労は想像に余りある。お福の働きもあり、最終的に家康は長男相続を絶対とするのだが、国松(忠長)の暗黒面を見抜いたうえで、幕府の安定には竹千代が相応しいと判断したのかもしれない。2021/08/05
Rico
4
この二人の女性の物語はドラマや小説等で取り上げられる事も多くなにかと触れる機会の多い物語だと思います。著者により気持ち(目線)をどちらに置くかまた歴史上のどの部分を物語の中心に置くかも変わってきます。植松氏のこの本はどろどろした部分が少なく行儀の良い本だという印象を受けました。それ故に読みやすさはありましたが少し物足りなさを感じました。2013/09/30
あいべきん
3
時代小説を読み始めた成果がちょっとずつ出始めたかも。知ってる人が何人も出てきた←そんなもの、成果とは言いませんw しかし、春日局ってコワイ人ですね。身の毛がよだつ感じがしました。2022/07/04