甚五郎異聞

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  • サイズ B6判/ページ数 437p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784140054550
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

反権力、反武士社会の志と天性の優れた技量で封建社会を生きた、伝説の彫り師・左甚五郎伝。

著者等紹介

赤瀬川隼[アカセガワシュン]
1931年三重県四日市市生まれ。大分第一高校卒。銀行、書店等に勤務後、五十歳で文筆生活に入る。1983年『球は転々宇宙間』で吉川英治文学新人賞、95年『白球残映』で直木賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ソババッケ

2
ほぼ全編を通して、若者・甚五郎の溌剌たる姿を気持ちよく描いているし、建物や彫刻に対する掘り下げも深いものがあって、ついつい引き込まれてしまう。初期の江戸の町づくりの話は、非常に興味深い。しかし、最後の結末にだけはすこし疑問が残る。物語の構成上、そうしたのであろうが、もっと別の展開があってもよかったのでは。円空が全国を行脚し、木彫りの仏像を数多く残したように、甚五郎も津々浦々に彫刻の足跡を残したという結末でもよかったのではと・・・。その昔、中学時代の修学旅行、知恩院の「忘れ傘」を思い出してしまった。★3.52012/07/05

あかんべ

2
2004年の作品。異聞とすることで一切の「本当に?」を受け付けないファンタジーの世界になってしまった。一般に有名な日光東照宮の眠り猫などは違う作としたのは、あくまで反武士の精神を一貫させる為か?最後島原で死ぬ?ために千利休やのキリシタン関連の話はちょっと強引な感じ。でも伝甚五郎作とされている物は見たくなった。2012/04/26

Hiro

1
あまり期待せず、ただ著者のことを何かで読んでちょっと気になったので読んでみた。ところが思いがけず面白い。主人公は江戸初期の様々な出来事や人物に遭遇する。大坂夏の陣冬の陣、キリシタン弾圧、武蔵との手合わせ、千利休の死の経緯の探求など、興味深い挿話満載だ。そこに例の彫刻製作の名高い逸話が加わる。卓抜な才能に恵まれるとこうも世渡りが痛快になるのかと羨ましくなる。勿論架空の話ではあるけれど。それに最後は権威主義的で固定化した、自由のない世の中に愛想を尽かしてしまうのだからただ要領のいいだけの主人公ではない。2021/12/15

wasabi

0
甚五郎は本阿弥だの千宗旦だのと親交があるばかりか、宮本武蔵まで登場してとんでもない展開が描かれていく。仕舞いには知恵伊豆こと松平信綱がチョロっと、しかも悪役っぽく登場したりする。それでもって、甚五郎は島原の乱で最期をとげるという、ほとんどハチャメチャな結びとなる。これは、はっきりとやり過ぎ。それじゃあダメ小説なのかと言うと、徳川幕府の成立を独特の観点で語る歴史小説として、案外にいけたりする。2012/04/24

depo

0
図書館リサイクル本。「異聞」とすることで、何でもいいのか. 2020/08/23

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