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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
17
重厚な「史劇」として再構成されたイエス伝であり、アムロそっくりなオリジナルの弟子の目を通して、終生ほとんど誰にも理解されることはなかった孤独な人間としてのイエスと、彼を取り巻く当時のローマにおけるユダヤ民族情勢を緻密に描写している。神秘や軌跡の描写をほぼ抜きにしたまま、しかし当時の頑迷な社会におけるイエスの等身大のカリスマを描写し、なぜイエスが神の子として尊ばれ、そして人々から見捨てられたのか、ストーリーの組み立てが上手すぎて驚嘆する。明確にスパイでありながらイエスの真価を見定めるユダの描写もかなり強烈だ2020/12/13
日々珠
15
劇的に、色鮮やかに。「鶏が三度鳴く前に、お前は」裏切りの予言。重厚なユダの佇まい。「聖書」を噛み砕きたい人のために。弱い弟子の、熱い視点で描く。もう、宝。2013/09/07
ぷないぷない
9
ヨハネ福音書をベースに展開されるイエスの物語。現実感のあるイエスを描いている。盲信によって自身の愚かさに気付かない弟子や、打算的に暗躍するユダ。これらを含め色んなことを見透かしたうえで、自身の立場や信仰に対する思いから言葉を発したり、あるいはどうすることもできずに悩むイエス。彼らの描き方は異端的ともいえるが、現実的で納得できる内容だった。学生運動とユダヤ改革が妙に重なる。作者はマルコ→マタイ、ルカ→ヨハネの順とする仮説を支持していて、後世の脚色やその意図を作家の視点から推察している。あとがきは必見。2013/08/31
Riopapa
6
神の子というよりは一人の人間としてのイエスを、一人の弟子の目を通して描いている。イエスの苦悩と強さがうまく絵に表されている。2019/01/01
きつね
4
「一人のユダヤ教改革者」で、様々な男達の思惑に絡め取られ、弟子達によって神秘化された存在としてイエスを描く「キリスト教批判」のマンガだという(あとがき)。しかし誰でもよかったのなら、なぜ彼だったのか。2013/06/14