内容説明
忘れたい記憶、忘れ得ぬ風景。進歩と発展、そして虚ろな狂躁。「昭和」とは旧きよき時代なのか、懐しい日々なのか、それとも苦い心の傷なのか。旧懐、苦笑、共感、寂寥、希望、そしてニヒリズム。色合いも味わいも複雑な、読書の喜びを満たす一冊。ほろ苦い懐しさの随想小品集。
目次
1 いわゆる青春について(イヌのフンは、やっぱりイヌのフンにすぎない;学校とはイヤなところだ ほか)
2 暑さに疲れた夕方(日本海の晩夏;蒸気機関車が消えた ほか)
3 「老い」という大陸(ああ、卒業旅行;人の世、至るところに「団塊」あり ほか)
4 「停滞」へのあこがれ(乱歩が最も愛した場所;「停滞」へのあこがれ ほか)