出版社内容情報
パナマ運河開発のスキャンダルに揺れるパリ。アメリカ人歴史学者アダムズは消えた画学生を求めて奔走するうち、パナマ事件との関わりを掴む。19世紀末のパリを舞台に、実在の人物たちが奇怪な失踪事件を追う。
内容説明
妻を亡くした歴史学者アダムズは、休暇先でアメリカ人画学生ミリアムと知り合う。再会を約束し、パリの住まいにミリアムを訪ねるがそんな人物はいないという。その日セーヌ川から若い女性の死体が上がる。死体からはアダムズと自殺したパナマ運河会社重役の名刺が発見された。折しもパナマ運河開発権に絡む政界スキャンダルが発覚し、フランス議会は大紛糾。そして、アダムズには奇怪なものが送られてきた。あの死体から切り取られた指先だった―。馬車が行きかい、地下では気送管が手紙を運ぶ十九世紀末のパリを舞台に、実在の人物たちが活躍するヒストリー&ミステリー。