内容説明
1995年以来、太陽系外に続々と惑星が発見された。木星質量で中心星の直近を高速周回するホット・ジュピター。灼熱と酷寒の世界を繰り返すエキセントリック・プラネット。想像を絶するその姿に、太陽系の惑星形成理論は根底からくつがえされた。今、この異形の惑星たちの形成メカニズムを解き明かそうと、世界第一線の天文学者たちが熱い闘いを繰り広げている。そして崩れ去ったにかみえる惑星の形成理論をもう一度構築し、そこから生命誕生の条件を備えた地球型惑星の存在確率にも追っていく―宇宙惑星学最前線の論争を存分に味わえる、知的興奮に満ちた一書。
目次
序章 豊饒の宇宙
第1章 未知なる異形世界の幕開け
第2章 プラネット・ハンターたちの苦闘と栄光
第3章 再構築を迫られた太陽系形成理論
第4章 異形の惑星たちの起源に挑む
第5章 統一的な惑星系形成理論の構築へ
第6章 この銀河系に地球型惑星はいくつあるのか
終章 さらなる惑星フロンティアの開拓
著者等紹介
井田茂[イダシゲル]
1960年東京生まれ。1984年京都大学理学部卒業、1989年東京大学大学院地球物理学専攻修了。理学博士。1993年より東京工業大学地球惑星科学助教授。1995年から1997年までカリフォルニア大学サンタクルーズ校、コロラド大学ボルダー校で客員研究員。専門は惑星物理学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sakusya
1
Wikipediaをうろついていたらホットジュピターへ辿り着いた。外惑星の発見は1990年代?うそん。参考文献に本書があったので買ってみた。読むべき所はホットジュピターやエキセントリックプラネットの解説章、プラネットハンティングの歴史について述べた第2章、あとがきの三ヶ所である。後は学者様の「証明」なのでマニア以外はスルーしてよし(マニアは夢中になれるだろう)。だが、上記3つ、特に2章はこれだけで映画1本でも作れるほどに濃密なドラマを描いている。「何たることか」の連続である。図書館でどうぞ。2010/12/25
Kazuyuki Koishikawa
0
地球程度の大きさの惑星でも0.01%の減光をトランジットで検出して確認できるかもとか星の明るさもその程度の分解能があるのか。ホットジュピターとかエキセントリックプラネットとか新しい知識が得られた。2012/01/14
SHINOBU
0
地球に似た形外惑星が続々と発見されてるニュースに触発されて再読。やっぱり天文学の話は好きだ。ところで超光速ニュートリノ発見の話はどうなった?地球に似た惑星と超光速航法がセットにならないと、始まらないじゃないか(何が)。2011/12/22
惰性人
0
最近発見された太陽系とかけ離れた他の星の惑星達の姿。面白いです。2008/10/27