内容説明
少子・高齢化を迎えた日本社会のなかで、人は子どもを生み、育てることにためらいと、惧れを抱えている。育児不安、乳幼児の虐待、いじめ、学級崩壊、そして「キレ」る子どもたち、子どもが育つ=育てられる環境は、悪化する一方だ。それは、養育者=「育てる者」と子ども=「育てられる者」の関係の悪化でもある。人間は「育てられる者」として生まれ、「育てる者」になるという生涯過程を繰り返す。「育てる者」として成熟するためには、「育てられる者」との相互関係が重要である。「育てられる者」を、一個の主体として、ありのままを充分に受け入れること、そして「育てられる者」からのフィードバックから、子育ての喜怒哀楽を認識すること。関係発達という考え方から子育ての根源を問い直す。
目次
第1章 「育てる者」になる難しさ(歴史的、巨視的にみた「少産化=少子化」の問題;わが国の現在の少産化=少子化の問題 ほか)
第2章 「育てられる者」から「育てる者」へ(世代間伝達とリサイクル;これまでの発達心理学の問題点 ほか)
第3章 乳児期、幼児期の関係発達(「育てる者」へのはじまり;乳児期前期の関係発達 ほか)
第4章 学童期、思春期、青年期後期、成人前期の関係発達(学童期の関係発達;「評価的なまなざし」の問題 ほか)
著者等紹介
鯨岡峻[クジラオカタカシ]
1943年秋田県出身(韓国ソウルに生まれる)。1970年京都大学大学院文学研究科修士課程心理学専攻修了。1970年より島根大学教育学部の助手、講師、助教授、教授を経て、現在京都大学大学院人間・環境学研究科教授。京都大学博士(文学)。専攻は発達心理学、発達臨床心理学
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