NHKブックス
草原と馬とモンゴル人

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  • サイズ B6判/ページ数 204p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140019153
  • NDC分類 389.226
  • Cコード C1339

内容説明

匈奴や突厥として中国を脅かし、ユーラシアの東西を架橋した遊牧騎馬民族モンゴルとは、どのような人びとなのか。厳しい自然環境と折り合い、家畜を育みながらの生活は、農耕民の生活観・自然観とは大きく異なっている。オルドス草原を駆ける馬たちの背に、かれらの生活と人生がある。英雄チンギス・ハーンを追慕する壮大な叙事詩をたどり、モンゴルの人びとの馬に対する思いから遊牧民の生き方をさぐる。オルドス・モンゴル族の一員である著者が語る遊牧の文明。

目次

プロローグ モンゴルとは
第1章 馬と暮らす(オルドス―わが故郷の歴史;オルドスの自然環境;オルドス・モンゴル族の性格;遊牧から定住へ)
第2章 駿馬の誕生(伝説の駿馬たち;歴史をウマから語る;鞍を背負うこと―没落者の駿馬とは)
エピローグ 馬群は消えど、馬は消えない

著者等紹介

楊海英[ヤンハイイン]
1964年、中国内モンゴル自治区オルドス生まれ。モンゴル名オーノス・チョクト。北京第二外国語学院大学日本語科卒業。同大学助手を経て1989年3月来日。1990年国立民族学博物館・総合研究大学院大学博士課程入学、文化人類学専攻。松原正毅教授の指導のもと、カザフスタン共和国、中国新疆ウイグル自治区、モンゴル国、ロシア連邦トゥバ共和国、ブリヤート共和国にて遊牧民の実地調査をおこなう。1995年、同大学院博士課程修了、文学博士。関西外国語大学講師、中京女子大学助教授を経て、1999年から静岡大学人文学部人類学講座助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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たまな

0
モンゴル人と馬の繋がりの深さは想像を超えるものでした。文革によってそれが破壊されていったことにも触れられており、淡々とした文章の中にモンゴル出身の著者の深い悲しみと怒りを感じました。著者は後に「墓標なき草原」で司馬遼太郎賞を受賞されています。そちらも読んでみたいです。 チンギス・ハーンと二頭のジャガルの話が好きです。馬に意志があるのがいい。 01/22 13:312016/01/21

sunbather

0
内モンゴル出身、文化大革命が始まる前に生まれた楊氏。冷戦の中国における重苦しいモンゴル人弾圧の話も随所に載せながら、モンゴル人にとってかけがえないのない馬との関係性を丁寧に描いている。「おわりに」に記述されていた、妊娠中のお母様が毎晩40kmも馬を走らせ、妊娠7ヶ月の時に馬と共に転倒していたにも関わらず元気な赤ちゃん(著者)を生んだという話がとても印象に残ってる。あと、モンゴル人にとってチンギス・ハーンは西洋人にとってのジーザスみたいなものと理解した。 楊氏の他の著書もぜひ読んでみようと思う。2015/10/24

zuisei

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オルドス出身のモンゴル人である著者が、モンゴル人とは何かを描く。遊牧民の氏族社会。しかし、アフリカと違って馬がある。モンゴル人にとって馬は欠かせない存在だ。モンゴルの民謡からその心情を描き出す。オルドスは漢族の農民に侵入され、草原は砂漠化して遊牧は滅びつつある。評価3。2019/09/18

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