内容説明
未曾有の長期不況と膨大な財政赤字、絶望的な状況の前に、国民の誰もが、茫漠とした不安を抱え、立ちすくんでいる。いったい日本は、どこでハンドルを切り間違えたのか。そして新世紀を迎えた今、何を変えなければいけないのか。財政学のパラダイムから、市場原理主義と中央集権型政治の限界を論じ、地方自治、税制、社会保障体制等、緊要の制度改革案を通して、人間の絆で結ばれた「分権型社会」への道筋を示す。本書は、21世紀の日本を「絶望」から救うための、抜本的な国家改革論である。
目次
序章 「競争社会」と「協力社会」
第1章 よみがえる財政学のパラダイム
第2章 改革の対象としての二〇世紀システム
第3章 ボーダレス化・グローバル化の正体―二〇世紀システムの崩壊
第4章 新産業創出と二つの社会的ネット―「競争社会」への対抗戦略
第5章 地方政府によるユニバーサル・サービス―身近な公共空間をつくるために
第6章 分権型社会の税制改革
第7章 「協力社会」を支える政府体系
終章 日本を「希望の島」にするために
著者等紹介
神野直彦[ジンノナオヒコ]
1946年生まれ。1969年、東京大学経済学部卒業。日産自動車を経て、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。大阪市立大学助教授、東京大学助教授を経て、現在、同大学経済学部・大学院経済学研究科教授。専攻は、財政学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。