NHKブックス<br> アウトローの世界史

  • ポイントキャンペーン

NHKブックス
アウトローの世界史

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140018743
  • NDC分類 209.5
  • Cコード C1322

内容説明

広大なハンガリーの大平原。土埃舞うメキシコの山々。荒涼たるブラジルの大地。果てしないアメリカの大西部。アウトローと呼ばれる義賊たちは、こうした自然を舞台に、世界中を席巻しようとする資本主義の力と戦い、国民国家へ凝縮しようとする近代に抗った。義賊たちが担っていたのは、近代という大きな力に押しつぶされようとしていた人々の夢だった。義賊を中心に世界史を読み直し、教科書では決して読めない、人々の生活レベルからの世界史像を提示する。

目次

義賊とはだれか
長い16世紀―近代が生んだ義賊
18世紀―民衆の正義の時代
19世紀(近代への反抗;ハンガリーのベチャール;新世界の義賊たち)
20世紀―権力と義賊
義賊の世界史の試み

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シャル

10
十六世紀のロビンフット伝説以降、世界各地に現れ、語られた義賊(=アウトロー)について、その社会との関わりや移り変わり、実像と虚像などについて分析していく本。多くの義賊は信念や思想ではなく、農村社会、つまり弱者の感情との結びつきによって語られ、伝説化していくという視点が全体を貫いており、義賊がどう見られていたのかがよく分かる。それはまさに公権力と戦うヒーローとしての姿であるが、その一方で、現実は資本主義と民衆の政治の時代になり、その中にあってアウトローもやがて政治の手を逃れられなくなっていく現実も興味深い。2016/09/20

わたる

0
アウトロー(義賊)の考察により民衆の社会状況、権力や犯罪との関係から近代以降を捉え直す。序章・終章含め8部構成。E. ホブズボームは農村社会との結び付きを強調したが、著者は広く民衆を基盤と位置付ける。また、資本主義が普及すると義賊がいなくなるとは言えない。16世紀以降、時代や地域によって義賊は様々な形態をとったが、「近代」「国家権力」「資本主義」「ネイション」への反発というかたちで概ね生まれた。実態として義賊(狭義の)でなくても、イメージの上では「民衆の正義」を体現する義賊(広義の)と言えることも多い。2012/08/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/125324
  • ご注意事項