NHKブックス<br> オスカー・ワイルドの生涯―愛と美の殉教者

NHKブックス
オスカー・ワイルドの生涯―愛と美の殉教者

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140018736
  • NDC分類 930.28
  • Cコード C1323

内容説明

貴族趣味、個性の演出、閑暇、美的生活―ダンディズムを標榜したワイルドは、紳士と階級の国イギリスで時代の寵児になり、同性愛の告発によって永久追放の身になり果てた。罠にはめられた「国家の敵」ワイルド。そして百年後、二十世紀末に文豪として公式に復活する。ヴィクトリア時代の偽善的道徳と効率主義を軽蔑し、愛の純粋性と自由と美を求めた。ワイルドの生涯とその時代を新資料で読み直す好著。

目次

1 アイルランド時代
2 オクスフォード大学のワイルド
3 ロンドン
4 アメリカのワイルド
5 パリのワイルド
6 結婚と二人の子供
7 栄光への道
8 絶頂期のワイルド
9 オスカー・ワイルド裁判
10 獄中のワイルド
11 出獄と新生活
12 たそがれの放浪と最期

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

noémi

8
ワイルドの著作は有名なものをちょこっと読んだに過ぎないが、一読すると『ドリアン・グレイの肖像』と『幸福な王子』にはものすごい隔たりがあるように感じる。ひとつはデカダンの粋とも言えるし、もうひとつは愛の本質を格調高く描いている。イギリスにあっては至高の文学者であり、またダンディでもあった彼は、時代のカリスマだったのだ。しかし、人生の後半には暗く重い影がのしかかる。ゲイの罪で二年間も苛酷な牢生活を強いられる。偽善的なヴィクトリア時代は彼を許す訳にはいかなかったのだ。副題どおり「愛と美の殉教者」と成り果てる。2011/10/29

四ツ谷

1
史上初の現代人と言われるワイルド。太宰治や三島由紀夫にハマっていた学生時代に関連人物として知った。ワイルドは華やかな生まれ育ちから同性愛を理由に投獄され、街中で冷笑され、貧困のうちに生涯を遂げた。ワイルドの機知と美的感覚から自分は絵画を見る楽しさを学んで、人々が後付によってどんどん美的価値が上昇する「誤解による芸術価値」というのは今でも美術館にいくときは意識している。芸術とは美とは何かというときワイルドは参考になると思う…(ヽ´ω`)

そーすけ

1
294*生まれるのが早すぎたんだね(´;ω;`)2018/11/16

sasha

0
ヴィクトリア朝の道徳観の人身御供にされたオスカー・ワイルド。投獄・破産・貧困のなか、パリに死す。死の床でイギリスに戻ることを望んだワイルドも切ないが、自分の死後も夫に幾ばくかの金がのこるように手配した妻・コンスタンスの思いも切ない。生まれるのが早かったんだね、ワイルドは。でも、あの時代に生まれたからワイルドはワイルドであったのだろうけれど。2013/06/29

Yuzupon

0
ダンティズムの完璧な紳士でありながら、奇抜な唯美主義者。デカダンとして退廃的でありながら、ロマン派的な夢想家の象徴主義者。ワイルドの一生のみならず、そんな時代特有の風潮の概念区分を絡めて解説した本。ワイルド裁判の発言録や「獄中記」裏側の状況については初めて知りました。時代の寵児から転落し、旧友らに物乞をして孤独に暮らした晩年すらも妙に堂々として見えるのは、ワイルド作品的な紳士すぎる。2012/07/19

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