NHKブックス<br> 分裂する現実―ヴァーチャル時代の思想

NHKブックス
分裂する現実―ヴァーチャル時代の思想

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  • サイズ B6判/ページ数 282p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140018095
  • NDC分類 801.03
  • Cコード C1336

出版社内容情報

なぜ、ヴァーチャルがリアルになるのか?オウム事件、神戸小学生殺人事件など今日の災厄は、リアルとヴァーチャルに引き裂かれ、苦悶する"現実"の姿を表象している。思想・歴史・精神医学に精通する俊英の渾身論。

内容説明

オウム真理教事件、神戸小学生連続殺人事件…リアルとヴァーチャルの混同の果てに生じたと言われる、これら今日のカタストロフィの背後では、現実から遊離した宗教的・呪術的な言葉が、自律的な価値をもって暴走していたことに著者は着目する。なぜ、言葉と現実の関係が転倒するのか?その転倒をめぐって、何らかの歴史的規則性は想定可能か?―さまざまな言語論の比較検討に加え、思想、文学、歴史、精神医学など、多様な「知」の集積を通し、現代社会の深層に切り込む意欲作。

目次

序論 ヴァーチャル・リアリティの世紀末的展開
第1部 自律する言葉、分裂する現実(固有名の怪物化;現実的恣意性とは何か;虚構の果て)
第2部 ヴァーチャル時代の思想―今日のストイシズム(コペルニクス的再転回;言語の却火;大火(エクピュローシス))
おわりに 「現実の分裂」を超えて―ニュー・ストイシズム宣言

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

つゞみ@223tudumi

2
「言葉のハイパーインフレーション」と「現実の分裂」を相対化して論じる書。ヴァーチャル世界では、例えばネカマなど現実と矛盾していても現実的なものがある。言葉の価値がインフレ下の金のごとく、対応関係を無視してそれのみに絶対性を獲得したとき、言葉が現実を生み出すということだろうか。この現実の分裂に対して、ストイシズムから解法を見いだそうとする流れが本書の粗筋だが、この解決部分はいまいち掴めなかった。再読時の課題である。2012/09/07

弥田

0
細かいところは難しくてよくわからなかったのですが、大筋において自分が(現代人が)ぼんやりと考えていたことが明確に言語化されているように思います。2014/07/03

虹倉きり

0
1997年刊行だが今のネットで起きていることが予言されているような感覚に襲われた。全身麻痺のジュリーの話はVtuberでいうところのバ美肉おじさんだろうか。変身願望とは少し違う、恐らく承認欲求が変質した果てなのだろうとも思う。火の話もまた今に通じる。炎上とも言うし、火はリセットの象徴か。2024/02/03

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