内容説明
本書は、文化人類学・比較文明学・経済学・社会学・言語学などの各分野からあらためて「日本異質論」を検証し、真に有効な日本研究パラダイムを定立しようとする試みである。文明と文化、関係性の理論、日本と日本人の再定義など、枢要な論点が提出された『日本研究・京都会議』の報告と討議。
目次
第１部 日本異質論をめぐる報告と討論（シンポジウムのねらいと課題；「報告」アジアの強大化；「報告」日本型資本主義の特色；「報告」日本と他文化に見る人間性の認識 ほか）
第２部 日本異質論をどう乗り越えるか（強大化するアジア；日本異質論の問題点；ノート―日本は本当に異質・特殊か？；日本型システムとその分析的視点 ほか）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
間違いちゃん
1
「日本異質論」を唱える研究者たちは、前提として西洋のシステム(政治・経済・社会など)を普遍とし、日本をそのルールに従わない特殊な国と位置づけてしまっている。この点から脱却すべきだ。加えて、個人というよりは他者との関係性を重視する日本的システムを分析するためには、デカルト以来の要素還元主義を超えて、主体間が相互に及ぼす影響を考慮した新しい社会科学のパラダイムが必要であろう。2012/11/15
