内容説明
20世紀を解くキーワード「生命」。「生命」がスーパー・コンセプトに浮上し、新たな生命観が問われている今日、20世紀はじめの日本で生命主義が台頭し、その後にたどった経違を追う注目作。
目次
1 「生命」が原理だった
2 日本列島の生命観
3 近代欧米の生命観
4 大正生命主義の誕生
5 生命主義の開花
6 スタンスと亀裂、そして変容
7 迷路の中の生命主義
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
12
大正生命主義・・・ふーむ・・・。2014/05/13
左手爆弾
3
20世紀の思想を考える上で最も大事な思想水脈であるわりに、あまり体系的な紹介が行われない「大正生命主義」。本書はそれを文学から思想に渡って幅広く解説。つまるところ、『西洋近代はダメだ!物質主義でけしからん!』「じゃあ、どうすんの?」『生命だよ、生命!これこそが万物の根本で到達点だ!』「ふーん、じゃあ生命って何?」『暴力!SEX!』みたいな曖昧さがつきまとう「生命」を何の原理にできるんだろうか、という問いである。言うまでもなく、血で結びついたナショナリズムとも繋がりかねないわけだ。2015/11/03
rbyawa
1
j045、大正生命主義というのはまあ多分「生命」という言葉と概念そのものが一般的になるまでの間、さまざまな分岐をしたという話のようで一番まとまっているのは木下尚江から白樺じゃないかなぁ…本では微妙に文学ジャンルのフィルター掛かってたけど、影響力という意味では彼が大きいと他で聞いている。が、なにぶんにも「生命」という言葉を使っていれば拾う感じなので後半のまとまりがなんともなぁ…。性欲を肯定する系譜など自然主義と見分けろって言われてもちょっと…。個人主義のバリエーションの一つ、大正教養主義の弟分かなぁこれは。2019/05/03
米村こなん
0
研究会(4回)副読本。2016/03/09