内容説明
イエスはゴルゴタの丘で礫刑されて、三日後に甦った。この復活からキリスト教が起こり、爾来二千年もの間、人種、言語、文化を超えて、世界の歴史形成に及ぼした影響力は計り知れない。そのキリスト教を理解するためには、聖書を通してイエスの実像に迫り、イエスが何を考え、何をしようとしたかを知らなくてはならない。本書は、新約学の権威が、最新の聖書神学の研究成果を踏まえて、ナザレ人イエスの生きざまを読者とともに追体験しようとする、意欲的な試みである。
目次
第1部 イエスの実像を求めて(たったひとりの生涯から;イエスのはたらきかけ;イエスの教え;イエスの神の国運動;神の国とは;神の国と国家;イスラエル回復の鍵;神への懐疑と希望;イエスの使命;イエスと弟子たち;十字架への道;復活とは?)
第2部 神と人間のかかわりを問い直す(生ける屍としての人間;聖書と奇蹟;聖書と聖書研究)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
65
キリスト教におけるイエスの受容についてわかりやすく語られています。旧約時代からイエスの時代までの流れを、聖書を交えて解説されているので、その歴史と輪郭を改めて見直すことができました。旧約聖書とイエスの関係性はとても興味深いところです。旧約の時代から救世主の誕生は予言されていたというのがキリスト教ならではの歴史なのでしょう。2016/11/30
まろにしも
4
★★★★★大変、分かり易く、旧約の時代背景からキリスト・イエスが登場した時代の流れを聖書とともに解説されており、大変分かり易かった。中でもヨブ記(旧約聖書の一項目。真面目に生きていたヨブに多くの苦難がふりかかる。絶望の中にあるヨブと神との対話)とイエスの登場の関係が興味深かった。何度でも読みたい。2016/03/12
ぽねろす
0
「歴史的イエス」と「宣教のイエス」を異なる存在とし、史実のイエス像を抽出しようとする試み。2017/08/09
mimm
0
とりあえず、歴史や輪郭を少なからず識ることができた点は、なかなか面白いと思えた一冊でした。2011/08/18