出版社内容情報
造形の場について考察した後,美術史学は「美術と工芸」という分類概念を問い直し,〈かざり〉と〈つくり〉の視点を提案する.ものがかざられる空間としての寺院や武家庭園を分析し,漆芸や陶磁器におけるかざりとつくりの方法を探る.そして染色やつくりものの豊かな造形性をあらためて捉え直す.
内容説明
新たな造形文化史の創造へ。漆芸、染色、つくりもの―日本の造形の魅力を斬新な視点から捉え直す。
目次
第1章 かざる空間の意味と機能(構造から意匠へ―平等院鳳凰堂を解析する;住まいの系譜と飾りの系譜;武家庭園の近代―江戸から東京へ)
第2章 かざりとつくりの方法(“かざり”と“つくり”と絵画の位相;仏像における“工芸的”なこと―仏像の金属製荘厳具をめぐって;蒔絵の「色」―絵画と工芸とのはざまで ほか)
第3章 かざりとつくりの諸相(外への視線―標の山・南蛮人・唐物;友禅の虚像と実像;屋根の上のつくりもの)
著者等紹介
玉蟲敏子[タマムシサトコ]
1955年生まれ。武蔵野美術大学造形学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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