出版社内容情報
作品相互の関係性や様式に着目したのち,美術史学は図像学,図像解釈学的観点から主題の意味を探る.テクストの規制に従い,ときに外れながら生み出される造形,ダブル・イメージなど,仏画,山水画といった多様な作品を通して図像の意味を読み解く.
内容説明
図像学、図像解釈学の可能性。仏画、風俗画、山水画―さまざまなジャンルの作品を通してその主題・意味を探る。
目次
第1章 テクスト/コンテクスト(仏像の意味と上代の世界観―内と外の意識を中心に;青不動―画像と行法をめぐる形と意味;大原御幸図の源流―宮廷和画図像の継承;探幽縮図から見た東アジア絵画史―瀟湘八景を例に)
第2章 ダブル・イメージ(荘厳と寓意―流水片輪車蒔絵螺鈿経箱をめぐって;隠棲の風景―神護寺所蔵「山水屏風」とその周辺;風流の造形、なぞらえる操作―「見立」と「やつし」とその周辺)
第3章 現実と図像との交渉(不思議な聖者たち―布袋・蜆子・陳摶;王権への追憶―太閤秀吉と風俗画のあやしい関係;都市とその辺境―岸田劉生「道路と土手と塀(切通之写生)」)
著者等紹介
佐藤康宏[サトウヤスヒロ]
1955年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授
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