出版社内容情報
言葉を通じて人間の思考や認識についてさぐる認知言語学.カテゴリー化の理論は人間の認知の能力を反映して,メタファー,メトニミーとともに重要ば概念である時間・空間をいかに把握するか,トートロジーのような言語使用の意味は何かなどを問う.
内容説明
人間が出来事を認知し、行動する背景には、受け取った情報を有意味なまとまりとして作り出す能力がある。このまとまりはカテゴリーと呼ばれ、メタファー、プロトタイプとともに重要な概念装置である。時間・空間は言語によってどう捉えられるか、名詞、動詞のような品詞分類はいかに成立するかなどを問い、カテゴリー化の諸相を体系的に示す。
目次
1 認知方略としてのカテゴリー化(絶対と相対の狭間で―空間指示枠によるコミュニケーション;“液体”としての言葉―日本語におけるコミュニケーションのメタファー化をめぐって;なぞなぞの舞台裏―その理解と認知能力)
2 文法カテゴリーの成立(日本語における語彙のカテゴリー化―形容詞と形容動詞の差について;トートロジとカテゴリ化のダイナミズム;日本語条件文と認知的マッピング ほか)
3 複文カテゴリーの諸相(日韓両語の補文構造の認知的基盤;構文理論から見た主要部内在型関係節の意味と機能;「交替指示」構文の通時相―統語変化とカテゴリー化)