古代文学表現史論

古代文学表現史論

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  • サイズ A5判/ページ数 355,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130800600
  • NDC分類 910.23
  • Cコード C3091

出版社内容情報

祭式の場から文学が自立してゆくには,ことばに宿された強い呪力(ことだま)の発現が歌へと転化してゆく過程が想定される.言語呪術から歌謡,さらには長歌・短歌にいたる流れを表現論の立場から包括的に追尋し,古代人の世界認識のありようを探る.

内容説明

本書は、文学の発生が祭式の場からの言語表現の自立にあったこと、それゆえにその表現には日常の言語には存在しないつよい呪力が宿されていたことを指摘し、その上でその呪力が言霊の発現としてとらえられることを論じた。第一部では、そうした言霊の発現が、悪意ある言語呪術としてはたらく場合(ノロヒやトコヒ)、あるいは祝福性をもつ言語呪術としてはたらく場合(ホカヒ)とを検証し、さらに神のことばである託宣がいかなる表現性をもっていたのか、またその末流ともいうべきコトワザやフルコトがどのような展開を見せて、記紀や風土記の神話叙述を導いていったのかを考察した。同時に、祭式の場の言語表現の特性を最も色濃く受け継ぐ歌の表現の展開を、歌謡から長歌・短歌に至る道筋として示した。第二部では、第一部の論述を踏まえつつ、それをさらに個別・具体的に考察した論を配置した。

目次

第1部 古代文学の生成(言霊と言挙げ;ノロヒ・トコヒ・カシリ;ホカヒの論;託宣の言語;コトワザ;フルコト;歌の発生)
第2部 万葉歌の表現(我や人妻;万葉びとの夜;「大君の命かしこみ」について;都と鄙;井の誓いの歌と物語)

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