ロシア宇宙開発史―気球からヴォストークまで

ロシア宇宙開発史―気球からヴォストークまで

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  • サイズ A5判/ページ数 486,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130611800
  • NDC分類 538.9
  • Cコード C3050

内容説明

スプートニク、ヴォストーク、そしてガガーリン。大テロル、大祖国戦争、そして冷戦と政治に翻弄されながらも突き進んだ宇宙開発の先駆者たち。その苦難の足跡を、豊富な文献を基に明らかにする。

目次

人類の夢「天空への飛行」―気球の誕生
第1部 気球からロケットへ(一九世紀ロシアのパイオニアたち;宇宙時代の預言者―ツィオルコフスキー;ロマン実現への胎動―一九二一年‐一九二九年 ほか)
第2部 宇宙活動への布石―ロケット開発(ドイツの地からの復活―A‐4ロケット調査・一九四五年‐一九四六年;ロケット自主開発―模索期・一九四七年‐一九五一年前半;ロケット自主開発―確立期・一九五一年後半‐一九五七年前半)
第3部 夢の実現(宇宙時代の幕開け―一九五七年後半;月うちあて計画と有人スプートニク開発―一九五八年‐一九五九年;飛躍に備えての雌伏の年―一九六〇年 ほか)
ロマン追求の終焉―一九六四年‐一九六五年初め

著者等紹介

冨田信之[トミタノブユキ]
東京都市大学(元武蔵工業大学)名誉教授(博士(工学))。1960年東京大学工学部航空学科卒業。1960年新三菱重工業(株)(現三菱重工業(株))勤務。1995年武蔵工業大学教授。2005年定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Miyoshi Hirotaka

27
小惑星イトカワを往復し、サンプルを搾取したハヤブサプロジェクトの中心は「宇宙戦艦ヤマト」世代。一方、後にロシアの宇宙開発を牽引した人物もジュール・ベルヌの著作や水上機の発着に影響された。大きな目標を達成する動機にはロマンや痛々しい程の高揚感が必要なのは古今東西変わらないようだ。航空宇宙技術は軍事と密接に関連して発達するが、宇宙空間での滞在と船外活動はこれと縁が薄い。実は、この支えになっているのが、宇宙と生命は一体で、命が死んでも魂は宇宙空間に広がり別の生物体に入り込んで新しい生命になるという死生観である。2016/05/07

kannkyo

20
再読。 違うロケットエンジンの燃料を研究するグループ同士でいがみ合ったり、共産党員に密告されてシベリヤ送りになったり、シベリヤで壊血病にかかって歯が10本以上抜けたり・・・。この種の技術史にはふさわしくないキナ臭い話題ばかりだ。 そんな中で面白いと思ったのは、宇宙開発初期の頃に官民のロケット研究所をトップダウン的に統合したこと。国民全てが共産党の指導下にあるが故に、赤軍の元帥の肝いりで官民統合も成し得た。もっとも、統合後に政治的対立が起きたことは言うまでもないが。2019/07/31

メルセ・ひすい

7
貴重本 ヴァイマール共和国の名家フォン・ブラウン家 ドイツ発第二次世界大戦が生みの親 v-1ロケット開発ユンカース社 ヒトラーはV型無人有翼ラムジェット推進飛行機爆弾に期待をかけた。囚人による地下秘密工場の悲劇 そしてあのナチの敗戦 機密資料の米ソの奪い合い フォンブラウンは米国へ 貨車の中の膨大な機密はソ連へ ソ連時代からのロシア数学 そして、初めての有人宇宙飛行はロシア/ソ連によってなされた。スプートニク、ヴォストーク、そしてガガーリン。政治に翻弄された宇宙開発者たちの足跡を文献をもとに明らかにする2013/01/05

Ex libris 毒餃子

5
ツィオルコフスキーの頃はライバル関係というよりも足の引っ張りなどもありつつも、各々研究という感じだが、ソ連になってからは各設計局ごとのコンペ方式に。内容としては設計主任コロリョフが主役です。大祖国戦争前からロケットの開発を始めるも粛清にあう。しかし、名誉回復後にロケット開発を再開。戦後のドイツからエンジニアと設計図をさらってきて、V 2を模倣するところから始め、ソユーズで有人飛行まで持っていく。スターリン、フルシチョフとロケット開発に理解があったところが宇宙開発にとっては好機だった。2018/01/27

velikiy99

5
20世紀初頭の黎明期に始まり,第二次大戦を経て,世界初の有人宇宙飛行成功に至るまでの,ソ連のロケット開発を追った一冊.開発当時ロケットがどのような兵器として有用かをめぐり,航空機の推進器や,砲の上位互換といった様々な用途が俎上にあったのが興味深い.専ら地上攻撃のための手段としてロケットを見ていた軍に対して,フルシチョフが宇宙開発の手段としてのロケット開発を推進したというのは意外だった.2017/11/11

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