科学と文化をつなぐ―アナロジーという思考様式

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科学と文化をつなぐ―アナロジーという思考様式

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  • サイズ A5判/ページ数 341p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130603157
  • NDC分類 404
  • Cコード C3040

出版社内容情報

哲学、人類学、自然科学、芸術など多様な専門家が集い、学問の方法論を見つめなおす。

アナロジーは研究の専門性と動向を特色づけると同時に,分野を越えて研究者をつなぐ.ときに危うく,ときにエキサイティングに,私たちが〈共通の場所〉にいることを確認させる――.哲学,人類学,自然科学,芸術など多様な専門家が集い,思考様式を見つめなおす.

はじめに(春日直樹)

序論 科学と文化をつなぐアナロジー(春日直樹)
 1 第3のつなぎ方
 2 専門を越える難しさ
 3 〈共通の場所〉のためのアナロジー
 4 推論形式としてのアナロジー
 5 自然科学と人文社会系の研究との対比
 6 本書の構成と論点

I 文化を科学的に,科学を文化的に理解する
1章 間(ま)は記号か――ゼロ記号再考(田中久美子)
 1 はじめに
 2 本稿の記号的対象
 3 ゼロ記号の列挙
 4 間はどのような記号か
 5 記号の原型としての曖昧なゼロ記号
 6 おわりに
2章 ドゥルーズ=ガタリのテクノロジー論(檜垣立哉)
 1 はじめに
 2 ドゥルーズ=ガタリのテクノロジー論
 3 ハイデガーの農民とドゥルーズ=ガタリの冶金術師
 4 機械的系統流
 5 メジャー科学とマイナー科学
 6 冶金術と機械的系統流
 7 群れの力能
 8 金属からサイボーグへ

II 科学的探究にかかわるアナロジー
3章 類推としてのアナロジー――地球の内核の異方性のモデリングを行った一研究を事例として(吉田茂生・中尾 央)
 1 類推(アナロジー)と科学の方法
 2 アナロジーの定義の検討
 3 筆者の内核研究における類推の利用
 4 まとめ
4章 人工物とのアナロジーで理解する視覚(河野憲二)
 1 眼とカメラ
 2 眼を動かさないで見る外界と人工知能による画像処理
 3 眼を動かして見る外界と映画のカット,カーナビ
 4 アナロジーがつなぐ科学と技術
5章 ニワトリの空間行動であそぶ――乳幼児のためのゲームアプリケーション(岡部佳世)
 1 はじめに
 2 ニワトリの位置情報取得実験から空間歩行パターンを抽出する
 3 歩行パターンをアナロジカルにプログラムに用いる
 4 おわりに
6章 伊谷純一郎の霊長類社会学――「人間的理解」と思考の型(黒田末寿)
 1 はじめに
 2 霊長類学の誕生と発展
 3 「人間家族の4条件」とファミロイド仮説
 4 伊谷純一郎の霊長類社会学
 5 伊谷純一郎の思考――不変なものを求めて
7章 霊長類学における共感と共存(足立 薫)
 1 霊長類学の方法
 2 参与と共感の経験
 3 混群を観察する
 4 ともに在る

III 文化理解のためのアナロジー
8章 人が家で死ぬということ――死のプロセスについての南タイのフィールドからの人類学的実践(西井凉子)
 1 はじめに
 2 家で死ぬこと,病院で死ぬこと
 3 死と身体
 4 おわりに
9章 贈与と賠償――アナロジーの双方向性と非対称性(春日直樹)
 1 「モカ」と呼ばれる贈与
 2 モカと賠償の不可解な関係
 3 モカと賠償の双方向的なアナロジー
 4 双方向性,対称性,同一性
10章 野(フィールド)から紙(ペーパー)へ――生態人類学のドキュメンテーション(河合香吏)
 1 はじめに
 2 東アフリカ牧畜民は「家畜の数を数えない」
 3 フィールドで数える――個体識別とクロスチェックのためのデータ収集
 4 帰国後に数える――牛群の年次動態に向けて
 5 結びにかえて――生態人類学のドキュメンテーションと人々の「生」の姿

IV 科学と文化の出会いにおけるアナロジー
11章 宇宙における我々の位置――科学と哲学の協奏(青木滋之)
 1 はじめに
 2 宇宙における我々の位置――三つの用法
 3 アナロジーとは――科学哲学の視点から
 4 我々の位置の変遷――古代から現代の系外惑星まで
 5 宇宙における我々の位置――アナロジカルな思考の史的展開
12章 記号の離床――将棋電王戦にみる人間と機械のアナロジカルな相互作用(久保明教)
 1 はじめに
 2 揺れ動く意味
 3 ゲームの内と外
 4 揺らぐ実践の境界
 5 アナロジカルな相互作用
13章 心的概念の前提としての,脳・還元・システム(平 理一郎)
 1 はじめに
 2 方法論的革新
 3 思考実験「桜を見て感動する」
 4 脳のシステム的理解
 5 おわりに

V アナロジーの再理解,科学と文化の再理解へ
14章 人が「自然」を産み出す話――異質なものの普遍性(中村恭子)
 1 はじめに――頭を擡げるアルシブラ
 2 忘れ得ぬ人々
 3 珠の訪れ――熊と人の共立
 4 異質なものの普遍性
 5 逸楽の士が嗜むアナロジー
 6 おわりに――ラッキーコイン?空虚な坩堝になって
15章 アナロジーとパラロジー――内在性の浜辺でシミュラクルに賭けること(近藤和敬)
 1 アナロジー的思考
 2 アナロジーとイデア的思考
 3 上昇的認識=イデア的思考の方法一――カヴァイエスの「範例」
 4 上昇的思考=イデア的思考の方法二――ロトマンの「イデア的弁証法」
 5 ドゥルーズの「プラトニズムの転倒」と「シミュラクル」
 6 パラロジーとの賭け――カヴァイエス「コレクティフから賭けへ」
 7 確率ゼロの賭けとしてのパラロジー
16章 アナロジーの位相――利口なハンスの知性はどこにあるか(郡司ペギオ幸夫)
 1 はじめに
 2 双対空間と不動点
 3 利口なハンス
 4 アナロジーという逸脱
 5 脳の中のアナロジー
 6 おわりに
総括(春日直樹)
 1 アナロジーが提起する諸テーマ
 2 科学と自然言語とのアナロジカルな関係
 3 科学と文化の相補性
 4 変動と試練

執筆者一覧

【著者紹介】
春日 直樹
春日直樹:一橋大学大学院社会学研究科教授/東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員

目次

1 文化を科学的に、科学を文化的に理解する(間は記号か―ゼロ記号再考;ドゥルーズ=ガタリのテクノロジー論)
2 科学的探究にかかわるアナロジー(類推としてのアナロジー―地球の内核の異方性のモデリングを行った一研究を事例として;人工物とのアナロジーで理解する視覚;ニワトリの空間行動であそぶ―乳幼児のためのゲームアプリケーション;伊谷純一郎の霊長類社会学―「人間的理解」と思考の型;霊長類学における共感と共存)
3 文化理解のためのアナロジー(人が家で死ぬということ―死のプロセスについての南タイのフィールドからの人類学的実践;贈与と賠償―アナロジーの双方向性と非対称性;野から紙へ―生態人類学のドキュメンテーション)
4 科学と文化の出会いにおけるアナロジー(宇宙における我々の位置―科学と哲学の協奏;記号の離床―将棋電王戦にみる人間と機械のアナロジカルな相互作用;心的概念の前提としての、脳・還元・システム)
5 アナロジーの再理解、科学と文化の再理解へ(人が「自然」を産み出す話―異質なものの普遍性;アナロジーとパラロジー―内在性の浜辺でシミュラクルに賭けること;アナロジーの位相―利口なハンスの知性はどこにあるか)

著者等紹介

春日直樹[カスガナオキ]
一橋大学大学院社会学研究科教授。人類学。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程単位取得退学。博士(人間科学)。北海道大学文学部、奈良大学社会学部、大阪大学大学院人間科学研究科などを経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Zensohya

1
第V部の三論文のみ、特にペギオ氏の論考は三読、とても勉強になった。双対構造の相転移をアナロジーと捉える本論では、双対構造内の往復運動は多/別なる双対構造へと相転移なのだが事後的にメタ視点から同一構造内での往復運動へと「翻訳」してしまうのは人間の、とくに科学の、あるいは一人称ないし三人称的知性(cf.『天然知能』)の有する、避け難い思考のエコノミーなのかもしれないが、その「翻訳」の力学を剔抉し、相転移自体をあたかも実体化するかのようなアナロジーの位相に、「わたし」という主観的実在が拓かれる。希望の論考。2022/03/02

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