出版社内容情報
公共人類学とは,公共的課題に関与し,理論的・実践的に取り組むことで,社会に貢献する人類学であり,それを通して人類学の公共性を推進しようとするものである.本書は,この公共人類学の理論を,日本社会で起きた災害(東日本大震災・福島第一原発事故)のなかで実践した記録であり,最新の研究成果である.
目次
序論 災害に抗する公共人類学への誘い
1 震災復興の映像アーカイブ化(灰色地帯を生き抜けること―「つくば映像アーカイブ」から考える;避難者のセーフティネット作りから映像アーカイブ制作への発展;『立場ごとの正義』―自主避難者の視点から映像を撮る;災害に抗する市民の協働)
2 福島第一原発事故被災者に寄りそう実践の試み(原発事故避難者受け入れ自治体の経験―ソーシャル・キャピタルを活用した災害に強いまちづくりを目指して;当事者が語る―一人の強制避難者が経験した福島第一原発事故;まなび旅・福島―公共ツーリズムの実践)
3 津波被災地の生活再建の現場から(現在から過去へ、そして未来へ―「復興」への手探りの協働;津波被災後の稲作農業と復興における在来知の役割;震災とデス・ワーク―葬儀業による死後措置プロセス支援の展開)
著者等紹介
関谷雄一[セキヤユウイチ]
東京大学大学院総合文化研究科准教授。2000年東京大学総合文化研究科博士課程中途退学。00年早稲田大学アジア太平洋研究センター助手。03年青山学院女子短期大学専任講師・准教授を経て、11年より現職
高倉浩樹[タカクラヒロキ]
東北大学東北アジア研究センター教授。1992年上智大学文学部史学科卒業。98年東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得(社会人類学博士1999年2月)。2000年東北大学東北アジア研究センター准教授。2013年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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