出版社内容情報
高齢者の階層的格差は意外に大きい.東京都23区の調査から,収入・資産,就業,住環境,健康,社会参加・社会的ネットワーク面での不平等の実態を明らかにし,エイジングの過程での格差累積のメカニズムを分析して,政策課題へのインプリケーションを追究.
内容説明
本書は、編者が研究代表者となって科学研究費補助金による助成を受けて1996年に東京都区部において実施した高齢者調査のデータを用いて、高齢期の生活諸領域における社会的不平等の実態を明らかにするとともに、加齢過程におけるその形成のメカニズムを、累積的有利と累積的不利という視角から分析し、さらに、その分析結果に基づいて、高齢期における貧困・低所得と社会的不平等の問題への政策的対応のあり方、あよびその問題に関する研究の今後の課題を検討したものである。
目次
1部 高齢期の社会的不平等の諸側面(社会参加、社会的ネットワークと情報アクセス;健康と心身機能;収入状況と就業行動・同居行動;低所得と生活不安定;住環境;職業キャリアと高齢期の社会階層)
2部 総合的分析と政策論(消費社会における貧困研究の視点;相対的剥奪指標の開発と適用;高齢期における社会的不平等と社会的公正)
著者等紹介
平岡公一[ヒラオカコウイチ]
お茶の水女子大学文教育学部教授
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