内容説明
学力をめぐる問いは、日本の教育をどこへ導くか。めまぐるしい教育改革、格差問題、全国テスト、学校現場での模索など、気鋭の教育学者が論争を総括し、日本の教育の今後を提言する7章。
目次
1章 改革論争のポリティクス 学力問題の構図と基礎学力の概念
2章 学力論争を歴史的にふりかえる 近代の学力像とその社会的基底
3章 教育の機会均等と学力 グローバル化社会における学力観
4章 半世紀前の全国テストが照射するもの 学力調査と格差問題の時代変化
5章 職場としての学校から教育改革をみる 学力政策を支える教師の労働実態と課題
6章 認知心理学からの提言 学力概念と指導・評価
7章 授業改革への方向 質の時代における学力形成
エピローグ 学力問題への問い
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆきじ
2
『日本の教育と基礎学力』の続編?のような内容であり、時代の変化や専門は変わらないが異なる視点から章を担当している先生もおり、読み比べながら読むと理解が深まる一冊だった。特に1章が長いので、データ等前回はわかりにくかった点での補填ができていて読みやすかった。 学力観に関しては、佐藤先生や市川先生の章を先に読むとイメージしやすいのではないだろうか。教員自身や施策、社会の面からも書いてあるため、学力について多様な視点を求める場合にはいい導入書になると思った。2018/12/18
Beth
2
学力とは何か、社会人として求められる力は何かについて書かれている本。 歴史も少しわかります(^_^)v2013/04/15
わらび
0
大学生になるまで「学力」という言葉について深く考えてこなかった。考えるまでもなく学力は頭の良さ、テストの点数という捉え方をしていたが、学力とはそういったものだけではなく、学ぼうとする力・学習力など人それぞれの捉え方、また、社会やその人が属する文化などによって異なる。しかし、学力テストの時などにおいては明確な学力の基準を定めなければならないので、普遍的な定義も必要となる。教育現場では広く学力向上が叫ばれているが、教師一人ひとりが本当の学力とは何なのが考えていかねばならないだろう。2016/11/20
hideko
0
イデオロギーやマスコミ情報に惑わされることなく、エビデンスのある、教育を考えなければ…2013/07/06
なりあきら
0
従来の、ゆとり教育が良い悪いという議論から一線を画し、これからの教育に必要とされることがらを考察しようとしているのが特徴的。専門的になりすぎず、わかりやすく書かれているのもよい。2012/10/17