出版社内容情報
危機の時代にある社会学の再生のため、これまでの社会学理論を問い直し、グローバル社会、テクノサイエンス・リスクに向き合う。
環境問題,原発,貧困・格差,あるいは経済と福祉制度の混迷など,さまざまな危機に直面する現代社会はいかにして未来を切り拓くことができるか.これまでの社会学を問い直し,グローバル化し多元化する世界の可能性を探求する,新たな学知としての公共社会学.
はじめに(盛山和夫)
I 公共社会学の理論
1 公共社会学とは何か(盛山和夫)
2 公共性の歴史的転換(佐藤健二)
3 信頼と社会関係資本――コールマンの分析的公共社会学(瀧川裕貴)
4 システム合理性の公共社会学――ルーマン理論の規範性(三谷武司)
5 責任の社会学――自然主義的アプローチをめぐって(常松 淳)
II 市民社会の公共性
6 〈実践知〉としての公共性――阪神・淡路大震災の自立支援(似田貝香門)
7 市民的公共性と芸術――市民社会における再現前的公共性(宮本直美)
8 多民族社会における高等教育の公共性――マレーシアにおける国家と民間(吉野耕作)
9 世俗社会における宗教と公共性――ハーバーマスの宗教論をめぐって(飯島祐介)
10 現代中国における儒学的公共性(李永晶)
III テクノサイエンス・リスクのゆくえ
11 テクノサイエンス・リスクと知的公共財(松本三和夫)
12 原子力発電所をめぐる公共性と地域性(寿楽浩太)
13 ダイオキシン論争の分析(定松 淳)
14 環境問題における批判的科学ネットワーク――長良川河口堰問題の1970年代と1990年代(立石裕二)
【著者紹介】
盛山和夫:関西学院大学社会学部教授
内容説明
大震災、環境問題、経済危機、ゆらぐ社会保障制度、グローバル化する世界。現代をとりまく深刻な諸課題を前にして、公共性の理念を軸に問題の構図を分析し、社会のありかたを問いなおす―。
目次
序 現代の危機と公共社会学という視座
1 公共社会学の理論(公共社会学とは何か;公共性の歴史的転換;信頼と社会関係資本―コールマンの分析的公共社会学;システム合理性の公共社会学;責任の社会学)
2 市民社会の公共性(“実践知”としての公共性―阪神・淡路大震災の自立支援;市民的公共性と芸術―市民社会における再現前的公共性;多民族社会における高等教育の公共性―マレーシアにおける国家と民間;世俗社会における宗教と公共性;現代中国における儒学的公共性)
3 テクノサイエンス・リスクのゆくえ(テクノサイエンス・リスクと知的公共財;原子力発電所をめぐる公共性と地域性;ダイオキシン論争の分析―政治性に対する政治的な批判を越えて;環境問題における批判的科学ネットワーク)
著者等紹介
盛山和夫[セイヤマカズオ]
東京大学名誉教授/関西学院大学社会学部教授
上野千鶴子[ウエノチズコ]
東京大学名誉教授/立命館大学大学院先端総合学術研究科特別招聘教授
武川正吾[タケガワショウゴ]
東京大学大学院人文社会系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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