出版社内容情報
〈芸術はビジネスになりうるか?〉〈パトロン付きの芸術家に真に自由な表現は可能か?〉演劇がつくられるさまざまな「現場」における丹念なフィールドワークを通して,近代芸術成立いらいの難問に挑んだ野心作.斬新な視点と手法で文化社会学の新境地を切り開く.
内容説明
芸術はビジネスになりうるか?パトロン付きの芸術家に真に自由な表現は可能か?演劇がつくられるさまざまな「現場」での徹底した取材を通して、近代芸術成立以来の難問に挑む。斬新な視点と手法で現代社会におけるフィールドワークの可能性を示し、文化社会学の新境地を切り開く野心作。
目次
第1部 小劇場ブームから文化行政ブームへ(サクセス・ストーリーのてんまつ―ビジネス化の可能性と限界;新たな物語のはじまり―被助成化の可能性と限界)
第2部 演劇界の誕生・演劇人の誕生(演劇界の誕生―業界化;劇団制のゆらぎとオルタナティブの模索―多様化;演劇人の誕生―プロ化)
第3部 文化産業システムの可能性(結論―制度化と独創性のディレンマを越えて)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部
4
現代演劇と社会の関係の制度的側面について、綿密なフィールドワークにもとづき分析されている本。 20世紀末に書かれたものだが、スタンダードの不在、劇団というシステム、助成の拡大がもたらしたことなど、今読んでもリアリティを持てる内容ばかりだった。 どんな立場で演劇に関わっている人も読んでおいて良いと思う。2016/05/06
子音はC 母音はA
4
15年程前の出版にされてるが未だに色褪せない。演劇の中で殊に小劇場の動態について産業化、組織化、職能化の視点から鋭く切り込んでいる。芸術とビジネスの葛藤が響く。文化政策にも詳しく触れており、他の芸術分野を考える上でも汎用性が利いている。2014/07/09
のほほんなかえるさん
0
演劇が抱えている閉塞感がここには満ち溢れている。2011/08/14