出版社内容情報
社会的共通資本という地球環境全体をも包含した概念を紹介し,新たな経済体制の設計に向けての示唆を与える.本書では「コモンズ」と「都市」を分析の中心に据え,自然環境及び人工的な社会的共通資本を最適に管理・維持・運営するためのシステムのあり方を追求.
目次
第1章 社会的共通資本の概念
第2章 公益事業の役割と社会的共通資本
第3章 コモンズの経済理論
第4章 日本のコモンズ「入会」
第5章 世界のコモンズ―スリランカと英国の事例を踏まえて
第6章 都市の形成
第7章 地方公共財の地域間最適配分
第8章 社会資本整備の今後の方向性―新社会資本、知識資本、人的資本
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takahiroyama3
1
資源が持続的に利用され、そのサービスが公正に配分される未来のための一冊。SDGsが整理されるよりかなり前に、日本からこのような概念が提示されていたことはうれしく感じられました。また、いくつかの章でコモンズが題材になっていることが印象的です。本書から広範な知識の取得が可能であり、持続的なコモンズの条件、その管理に生態系の知識が不可欠であることなどは示唆的でした。特に、間宮氏の論文「都市の形成」が提示する「場所」論および、都市という社会的共通資本のための政策の提言はとても重要です。2021/03/28