出版社内容情報
古代天皇制の形成から,鎌倉新仏教による変革へ!想を新たに開始された連続講義は,日本の思想的伝統の“原型”を完膚なきまでに構造化してみせる.日本思想史の全体像に挑んだ,書下しの通史のはじまり.丸山思想史学の全体像が示される.(解題:飯田泰三)
内容説明
古代天皇制の形成から、鎌倉新仏教による変革へ!想を新たに開始された連続講義は、日本の思想的伝統を完膚なきまでに構造化してみせる。日本思想史の全体像に挑んだ、書下しの通史のはじまり。
目次
まえがき
第1章 思考様式の原型(プロトタイプ)
第2章 古代王制のイデオロギー的形成
第3章 統治の倫理
第4章 王法と仏法
第5章 鎌倉仏教における宗教行動の変革
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
home alone
3
古代から鎌倉仏教までの日本の政治思想史。丸山氏、仏教のこと結構良く調べてんな―と思った。やっぱり彼は相当天才ですね。すっげー面白い。仏教が儒教ほどは国家の政治に介入出来なかった理由とかもよくわかる。し、仏教の形而上学が儒教にはない超越的な視点をもたらしたことが重要である2013/01/01
Ikkoku-Kan Is Forever..!!
2
④~⑦は1964~67にかけて東大で行われた日本政治思想史の授業。「民主主義を支える民衆のエートスの形成」とそれを飲み込んでいく「日本的なもの」の探求という図式の下、古代から近世までの思想史が描かれる。丸山がいう「エートス」とは「およそ人間を人間たらしめているところの精神的なもの」であるが、それはほぼ宗教意識と同義であって、丸山は日本の思想史をこうした精神の内面化=主体化の過程のなかに現れる自我意識の展開として捉えようとした。この様々な「普遍意識」が交錯する交響曲としての思想史はヘーゲルを彷彿とさせる。2017/06/10
kotsarf8
0
記紀神話から鎌倉新仏教までを論じた1964年講義。「原型」論の是非や新仏教の類型の妥当性など論点は数多いが、「思想史は問題史」とする丸山の情熱が読み手にも伝わって来る。2012/03/15