出版社内容情報
コミュニケーションとは何か.この言葉の原義にある「共有」的側面に注目しながら,会話,ソーシャル・ネットワーク,マスコミュニケーション,インターネット,世論にまたがる広い領域の中で,ダイナミックなコミュニケーションのパターンを分析する.
内容説明
情報や感情・経験はいかにして共有されるのか!社会的コミュニケーションの全体像をダイナミックに描き出しインターネットの普及がもたらすインパクトについて検証する。
目次
第1章 社会生活のバックボーンとしてのコミュニケーション
第2章 個人の情報処理から対人的情報処理へ
第3章 ソーシャル・ネットワーク上の共有
第4章 社会的情報環境
第5章 二重の情報環境とそのダイナミックス
第6章 情報環境の変容と社会へのまなざし
付録 分析に用いた世論調査データ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
4
2000年発行の本。コミュニケーションを3相(説得、リアリティ、情報環境それぞれを形成)に分解したうえで主に90年代に行われた調査を検証のデータとしながら論じた一冊。3相に分解してそれぞれの説明も面白かったが、個人的には情報環境形成とマスメディアの関係を扱った4、5章が面白かった。様々な情報が飛び交うインターネットの台頭でリアリティの形成が脅かされると著者は危惧していた。しかし、20年後でもSNSの活躍でコミュニケーションによる情報の共有化は違った形で発展しているので著者の最近の研究が気になるところ。2020/05/25
笹帽子
1
非常に面白かった。特に四章。六章については、10年たってインターネットは大分と様相を変化させているので、そのあたり現在ではどのような研究が行われているのか、池田先生がどう考えているのか気になるところ。また、用語の意味を明らかにする、価値あるデータ的根拠のある分析を求めるなどの点で好感が持てた。2010/06/03