出版社内容情報
変化に富む複雑な状況から立ち現われてくる環境問題.社会科学はそこから何を問題化し,どのように調査して意思決定の判断材料を提供するのか.現場の問題にこだわりつつ,それを超えた大きな視野から問題解決を試みる人のために編まれた本格的テキスト.
内容説明
複雑な環境問題に社会科学はいかに切り込み、意思決定の材料を提供できるか。現場の問題にこだわりつつ、大きな視野から問題解決を試みる人のための本格的なテキスト。
目次
1 問題を設定する(環境学は何を目指すのか―環境研究の新たな枠組みの構築;「問題」を切り取る視点―環境問題とフレーミングの政治学)
2 状況を解釈し、一般化する(個別現象限りの知見に終わらせない工夫;環境評価と新しい経済モデルの方向性)
3 データを集め、判断する(環境学におけるデータの十分性と意思決定判断;越境するフィールド研究の可能性)
著者等紹介
石弘之[イシヒロユキ]
1940年東京都に生まれる。東京大学教養学部教養学科卒業後、朝日新聞社に入社。ニューヨーク特派員、科学部次長、編集委員などをつとめて94年退社。96年から東京大学大学院総合文化研究科教授、99年から同新領域創成科学研究科教授。日本国際文化研究センター客員教授、鳥取大学乾燥研究センター客員教授、国際協力事業団参与などを兼務
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感想・レビュー
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なーちゃま
1
一読目。国際協力、特に環境問題に携わる人なら必ず読んだ方がいいと思える本。特に、第6章の『ハイブリッド・アプローチ』には励まされた。文系として哲学や倫理学など文系的学問に広く手を広げている私が環境問題にどう関われるのか悩んでいたため、螺旋式に様々な角度から現場からの問題意識を保ちつつ環境問題を考えることで、自分の研究を貫く1つの核を見つけていくことができる…。事例研究の章は、『質的調査』という曖昧な言葉にもやもやしていた頭を晴らしてくれた。各章に用意されていた問題を明日は解いてみよう。2020/04/11
Atsushi Nagata
1
まさに環境学の研究者の一歩を踏み出すためのテキストといった様相。そうそう1回読んだだけで咀嚼できるわけないので、今後も度々読み返すことになりそう。特に3章は抽象的過ぎて理解が全く追い付かなかった・・・。 聞くところによると東大の国際協力学専攻を受験する際には、この本が必読書らしいので、そういう意味じゃ自分はまだまだだなぁと・・・。2014/05/06