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新左翼の遺産―ニューレフトからポストモダンへ

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  • サイズ B6判/ページ数 285p
  • 商品コード 9784130301435
  • NDC分類 309.31
  • Cコード C3031

内容説明

ブント、60年安保闘争、清水幾太郎と谷川雁。第二次世界大戦後の先進国の豊かな社会の誕生とあいまって新左翼が登場する。その意味するものは何か。ポストモダンにつながる近代主義批判の思想と運動を明らかにする。

目次

序章 日本政治におけるポストモダン的思想潮流の登場
第1章 新左翼運動の誕生から「ポストモダン型」社会運動へ
第2章 日本における新左翼運動の誕生
第3章 安保闘争における新左翼と既成左翼
第4章 安保闘争の中のブントと市民運動
第5章 ブントの遺産
第6章 新左翼思想家としての清水幾太郎
第7章 ポストモダン思想家としての谷川雁
第8章 イギリスとフランスにおける新左翼
結章 国際比較と国際的影響からみた日本の新左翼

著者等紹介

大嶽秀夫[オオタケヒデオ]
1943年岐阜県に生まれる。1966年京都大学法学部卒業。京都大学大学院法学研究科・法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てれまこし

8
新左翼の歴史というよりはポストモダン思想の後知恵から振り返ったその遺産という観点から書かれてる。時間的にはポストモダン思想より新左翼運動が先行してるが、どちらにも共通する時代精神みたいなものがあると前提されている。自分はポストモダン思想があまり好きではないのだが、これを読むと好きか否かを問わずその洗礼を受けてる。国家権力より社会権力への関心、反権威主義、反(官僚)国家主義、周辺・マイノリティへの関心を共有してる。心情的には新左翼的なところがかなりある。柳田国男の読み方も一部の新左翼のそれとかなり近そうだ。2022/10/24

ステビア

4
面白い。新左翼比較史。2013/10/16

ぽん教授(非実在系)

3
日本の新左翼の前半期(安保闘争期)に焦点を当てつつ、反体制的でソ連に甘い知識人がメディアを通じて学生に影響を大きく与えた類似例としてアルジェリア独立戦争時のフランスの状況とも比較する。難しい理屈をこねくり回しながら現状をマルクス主義的に解釈する能力が学校秀才的に裏付けられようとも、岸信介・池田勇人やドゴールの経済成長政策によってその根底を破壊されてしまえば一気に反体制の理屈なるものは色あせてしまう、という情けない事実が赤裸々に分析されている。情熱も現実妥当性と先見性と有用性に裏打ちされなければ意味ない。2016/01/18

КИТАРУ МУРАКАМУ

3
いわゆるレフト・スタディーズと称される分野。かつて共産党を代表した既成左翼に対して、その党派的拘束に対して対抗・批判・決別を経て形成された「あたらしい」左翼の潮流がニューレフトであり、60~70年代をめぐった闘争をくぐり、その解体へと向かっていく様を描き出す。ニューレフトの出発点ともいえる全共闘(ブント)の形成をおさえつつ、ひとつの精神史を編み上げていくアプローチ。ここら辺は当時の「かおり」がよくわかる仕組みになっている。2011/10/17

しんだもずく

1
「前期」新左翼運動・思想史。50年代から60年代前半までの新左翼運動を後期の全共闘のそれとは切り離し、日本では主流だった(第一期)ブントについてを主に書いている。実話の記述と理論的、精神的な部分の筆者による整理のバランスもよく、またイギリスやフランスにおける同時期の新左翼運動についても日本と比較しつつ取り上げられていてよかった2020/11/29

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