歴史の描き方
記憶が語りはじめる

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  • サイズ B6判/ページ数 263p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784130250184
  • NDC分類 201
  • Cコード C3320

出版社内容情報

「記憶」「証言」「隠微記憶」「集合的忘却」という概念が,歴史叙述の可能性に関わる議論の前面に登場してきた.本巻は,戦争や植民地主義をめぐる証言,体験,表象の書き換えを手がかりとしながら,自覚的に歴史叙述するための方法論あるいは方法意識の全面的な刷新を追究していく.

内容説明

記憶をキーワードに歴史学を見据える。「証言」「体験」を手がかりとしながら、歴史叙述のあらたな方法、その可能性を追究する。

目次

1 記憶とイメージ(「証言」の時代の歴史学;植民地支配後期“朝鮮”映画における国民、血、自決/民族自決―今井正監督作品の分析;間=文化的イマジナリーにおけるオリエンタリズム―D.クロネンバーグとW.ギブスンにおける蝶々伝説;構成的な両義性―日本近代史におけるモダニズムとファシズムの存続性)
2 記憶という主体(二つの廃墟を越えて―広島、世界貿易センター、日本軍「慰安所」をめぐる記憶のポリティクス;虚偽の記憶と真正性―「ヴィルコミルスキー事件」『少年H』、そして『母の遺したもの』についての一試論;言葉の在処と記憶における病の問題)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Masato Kurosawa

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実証主義的な歴史学に対する批判的な立場に立ちつつ、抑圧された記憶の回帰の単なる肯定にとどまらないことが重要である。「記憶が語りはじめる」という奇妙な語法は、記憶の回帰なるものをめぐる営為が、容易に制御不可能な事態であることを指すためのものだ。そこで問われるのは客観的な真理ではなくむしろ状況的な真理である。普遍性を装う啓蒙知が通用しないような状況が「記憶」の領野に広がっている。「情動」が先行するような場がまずある中で、知の根本的な変革が求められているのだ2014/07/24

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