出版社内容情報
豊かな人生の最期を過ごすために必要なことは何か。新たな看取りの文化の構築をめざす「死生学」の考え方を平易に解説する。
内容説明
東京大学で死生学の研究が開始されてからおよそ15年。死生学に関心をもつ多くの人びとに対して開講されてきたセミナーの内容を、哲学、宗教、法律など人文・社会系の知をベースとして、死生の現場でのより人間的なケアをめざす死生学入門。
目次
1 死生学とは何か―過去に学び、現在に向き合い、未来を展望する
2 臨床死生学の射程―「最期まで自分らしく生きる」ために
3 意思決定を支援する―共同決定とACP
4 死生のケアの現象学
5 死と看取りの宗教の心理―自己の死と他者の死のつながり
6 死別をコミュニティで支えあう―地域協働的な死別体験者支援
7 終末期医療と法的課題―アメリカとの比較から
8 スピリチュアルケア―その概念と歴史的展望
著者等紹介
清水哲郎[シミズテツロウ]
岩手保健医療大学学長・東北大学名誉教授
会田薫子[アイタカオルコ]
東京大学大学院人文社会系研究科死生学・応用倫理センター上廣講座特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
insfeld
0
【2017/11/10読了】 榊原哲也 死生のための現象学 pp.113-140. ベナー&ルーベル『現象学的人間論と看護』を手がかりに。2017/11/10
さんくん
0
死生学は、知識を得て死ぬための準備をするものではなく(それも含むけど)、いま自分が何を大切にして生きるかのことの価値、そして死にゆく人間の在りかたを認め、相手の存在と価値を受け入れることを考えるための学問だと受けとりました。死生学を勉強したからといって「良い死」が決まるわけではないし、それは自分の自分で認める価値や相手の在り方に応じて変わってくるということは、なまじ勉強する者の戒めとしてハッとなりました。死という大きな出来事に関して、人間の価値をどう認めるか、肯定できるか。悩ませる問題だと感じました。2020/02/05