内容説明
絵画、彫刻、建築、詩、小説…「芸術」とはいったい何か。プラトン、トマス・アクィナス、ライプニッツ、カント、ハイデガー、ダントー…古代ギリシアから20世紀にいたるまで、「芸術」をめぐる思考の歴史を大胆に描きだす。アートや美について考えるための基本書。
目次
知識と芸術―プラトン
芸術と真理―アリストテレス
内的形相―プロティノス
期待と記憶―アウグスティヌス
制作と創造―トマス・アクィナス
含蓄のある表象―ライプニッツ
方法と機知―ヴィーコ
模倣と独創性―ヤング
趣味の基準―ヒューム
詩画比較論―レッシング
自然と芸術1―カント
遊戯と芸術―シラー
批評と作者―シュレーゲル
自然と芸術2―シェリング
芸術の終焉1―ヘーゲル
形式主義―ハンスリック
不気味なもの―ハイデガー
芸術の終焉2―ダントー
著者等紹介
小田部胤久[オタベタネヒサ]
1958年東京に生まれる。1981年東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科、ハンブルク大学哲学科に学ぶ。1988年神戸大学文学部助教授。現在、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
38
哲学史に一部だけ文学史が入って、最後にダントーがくっついたという感じで、哲学史がある程度分かるひとは案外と読了可能です。本の長さから大学の教科書として重宝されているのではないでしょうか。(しかし哲学を全く知らない学生にとっては正直10ページも読めないでしょうから、可哀想な気がします)私見では美学は解釈学なので、純粋に美の基準の探究よりもメタ言説に強い人の方が向いていると思います。各章末にある「文献案内」が必要最小限に原典ではない本を紹介していて、この考え方が明快に表れています。今後有効に活用できそうです。2021/04/21
Yohei
8
なかなか難解に、美学の歴史をプラトンからダントーまで人単位で概説していく。美と芸術に重きを置いた哲学史ですね。読むのに苦労しました。2019/03/31
NагΑ Насy
7
村上陽一郎の科学哲学・科学史からの宇宙像の変遷と、ゴンブリッジの美術史の入門と、この美学(史)の入門と、高橋巌のバッハ、シェーンベルクの音楽についての美学と併読していた。歴史の展開は科学史が馴染みがあるけれど、この本で取り上げられている美学に関わる哲学者と、ひろく科学・自然学・数学に関わる哲学者が重なっている。それぞれの哲学者が(馴染みの薄い)美学の問題とどう関わったかを併読しながら無意識に対照された。人物の生没年のグラフを参考に、その時代の絵画と建築の図表を「美術の物語」でパラパラ眺めるのは楽しい。2014/04/17
すみ子
6
非常にわかりやすく、美学の勉強をこれからしようと思っている人におすすめできる。参考文献もこれでもか!というほどついていて親切。2013/11/19
ひろ
5
いつも途中でギブアップしちゃう美学だけど、この一冊は何とか読みきった。教科書みたいな感じだから、掘り下げていくには各哲学者の本を読まないとダメだなぁ。2014/01/02