出版社内容情報
東アジアでは、法は抑圧の手段となった歴史がある。「法の暴力」と「国家の暴力」の問題に迫る日中韓台の研究者による哲学的な問い。
内容説明
植民地支配、戦争、軍事独裁、内戦や革命、家父長制度―法が暴力を告発するだけでなく、それ自身が暴力として抑圧の手段となった歴史に、日本・中国・韓国・台湾・フランスの研究者が鋭く迫る。
目次
1 戦争・植民地における法と暴力(BC級戦犯と「法」の暴力;台湾における「法の暴力」の歴史的評価―日本植民地時代を中心に;中国の「四十年戦争史」と中国人の暴力認識;近代政治システムと暴力;歴史認識論争―相対主義とミメティズムを超えて)
2 近代の法的暴力とジェンダー(道徳の暴力とジェンダー;台湾における法の近代化とフェミニズムの視点―平等追求とジェンダー喪失;近代韓国における女性主体の形成―東アジア的近代経験の多層性)
3 一九四五年以後の法と暴力(不服従の遺産―一九六〇年代の竹内好;朴正煕の法による殺人―人民革命党事件、民青学連事件、人民革命党再建委員会事件;「官製民衆主義」の誕生―朴正煕とセマウル運動;現代中国のイデオロギー暴力―文化大革命の記憶;光州の記憶と国立墓地)
著者等紹介
高橋哲哉[タカハシテツヤ]
1956年生れ。東京大学大学院総合文化研究科教授。哲学
北川東子[キタガワサキコ]
1952年生れ。東大大学院総合文化研究科教授。哲学
中島隆博[ナカジマタカヒロ]
1964年生れ。東京大学大学院総合文化研究科助教授。中国哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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