出版社内容情報
中心のないネットワークからディスプレイに投射されるテクノ画像は、人間と社会に何をもたらすのか? 文字文化終焉後のコミュニケーションを人間の側に取り戻すための思想の企て。
内容説明
中心のないネットワークから放射され人間の生を無意味化する「テクノ画像」。「歴史のおわり」後、氾濫しながら閉塞するコミュニケーションのコード「テクノコード」を人間の側にとりもどす思想の試み。
目次
コミュニケーションとは何か
いくつかのコミュニケーション構造
これらの構造の機能
三つの典型的な状況
コードとは何か?
これらのコードはどう機能するか?
三つのコードの同期化
テクノ画像とは何か?
いくつかのテクノ画像の解読
テクノイマジネーション
現在の状況
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
6
著者はメディアの進化におけるコミュニケーションの変容を描く。呪術的画像のコードの後退によって生じた進行性のテクストのコード(例:歴史)は、文字記号の線形的プログラミングから、写真以降電子化したテクノ画像のそれに場を譲るかに見える。テクストのコードは二項対立的に進む(進歩の時間)が、テクノ画像のそれは画面の広がりを多元的観点によって同じ時を経巡り続ける。著者は、テクストの時代が終わったとは言わない。テクノ画像との混交の時代を描く彼の念頭には文字コードでプログラムされ、テクノ画像を提示するコンピュータがある。2017/03/03