内容説明
西暦2020年。米国の一方的な金本位制復帰に端を発した日米戦争のさなか、日本で産声を上げた世界初の量子コンピュータは、勇猛な合衆国陸軍空挺師団の女コマンドの手中に落ちた。“神”の名を持つその人類最高の発明品は、停滞した戦局を一気に終息させ、その後の世界経済を牛耳る性能を秘めつつも、米コマンドによりシステムダウン、覚めぬかもしれぬ眠りについた。勝利の鍵を失った日本。主戦場となった硫黄島では、雨上がりと同時に最終決戦の火蓋が切って落とされる。人類の叡智を懸けたこの大戦を勝ち残るのは日本か、あるいは米国か。―新世紀をうらなうシミュレーション巨篇、堂々完結。