村上春樹翻訳ライブラリー
月曜日は最悪だとみんなは言うけれど

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  • サイズ B40判/ページ数 371p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784124034974
  • NDC分類 934
  • Cコード C0097

内容説明

カーヴァーの創作をめぐる“文学的事件”、ティム・オブライエンのエッセイと短篇、アーヴィングのインタビュー…出会った作家たちとエピソードを交えてつづる訳者覚書きとともに、新聞・雑誌記事からアメリカ文学界を読む。訳者による最新エッセイも収録。

目次

誰がレイモンド・カーヴァーの小説を書いたのか?(D・T・マックス)
グッド・レイモンド(リチャード・フォード)
私の中のヴェトナム(ティム・オブライエン)
ノガレス(ティム・オブライエン)
ルーン・ポイント(ティム・オブライエン)
ジョン・アーヴィングの世界(改訂版)(ジョン・ポール・ニューポート)
私は…天才だぜ!(トム・ジョーンズ)
シークレット・エージェント(デニス・ジョンソン)
翻訳の寿命は、いったいどれくらいのものなのだろう(村上春樹)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

81
村上春樹氏にとって翻訳という作業は創作者の余技ではなく、表現者として車の両輪のようなものだという事がよく分かる一冊。処女作の『風の歌を聴け』にして、始めに英語で物語を書いてから日本語に翻訳して完成させたと伝えられるほどだ。レイモンド・カーヴァーに関する評論2篇にジョン・アーヴィングのインタビュー、ティム・オブライエン、トム・ジョーンズ、デニス・ジョンソンの短篇を収録。タイトルはトム・ジョーンズの小説中に引用されたブルースの歌詞の一節。♪月曜日は最悪だとみんなは言うけれど、火曜日だって負けずに酷い♪2015/12/28

ずっきん

61
トム・ジョーンズ目当て。短編かと思ってたらエッセイだった。ゴツゴツと生のエネルギーをほとばしらせる熱とリズム。なのになぜか洗練を感じる文章。洗練とは単に読みやすい文章ということではないなあ。収穫はティム・オブライエン【ノガレス】ダントツによかった。感じたことは村上氏が全て語ってくれてる。さすがである。【本当の戦争の話をしよう】も、読友さんたちのレビューから読みたいと思ってたが、原書【The Things They Carried】は小学生の推奨図書で英語は比較的簡単らしいので、そっちでいこうと思う。 2019/10/22

ケイ

59
春樹氏がまず紹介文を書いてからの訳が8つ。7つ目のトム・ジョーンズ、『拳闘士の休息』を読んで、この本にも春樹氏が訳した短編があるので手にとった。つまり春樹氏の訳本ではなく、トム・ジョーンズ目的で。『なぜ私は書くのか』という本のために書かれたエッセイ。ブッ飛んだスパイスのきいた文章で自身の半生を語っているのだが、書きたいと思う人に対し、自分が書いている理由を懸命に説明しているのが伝わってきた。春樹氏が彼と出会った時のエピソートは『うずまき猫』に書かれていたが、あの印象も強烈でどんな人かとても気になっていた。2014/06/21

スミス市松

13
T・オブライエンのヴェトナム再訪記「私の中のヴェトナム」はここから『失踪』へ続き、『トムキャット』『世界のすべての七月』という彼自身の「ヴェトナム」に到る過程として興味深く読んだ。50歳過ぎでデビューしたT・ジョーンズ驚愕の回顧録「私は……天才だぜ!」はとにかくすごい面白いし溌溂した生の肯定を強く感じる。「グッド・レイモンド」、彼を温かい眼差しで見つめ、愛すべきエピソードに溢れた白眉のメモワール。泣いた。一人の人間としてここまで鮮烈に語ることができること、それもまたカーヴァーの素晴らしさじゃないかと思う。2011/07/07

mejiro

10
D.T.マックス「誰がレイモンド・カーヴァーの小説を書いたのか?」、ジョン・ポール・ニューポート「ジョン・アーヴィングの世界(改訂版)」、トム・ジョーンズ「私は…天才だぜ!」、村上春樹「翻訳の寿命は、いったいどれくらいのものなのだろう」が特におもしろかった。作品では窺い知れない、作家の一面や創作の舞台裏が興味深かった。カーヴァー、大変だっただろうな…。編訳者の解説が参考になった。なかでも、アーヴィングやジョーンズに会ったときの話がおもしろい。タイトルが印象的。2017/03/13

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