内容説明
日本人の心の深奥に分け入る折口学、その輝きを一望する新編集決定版。
目次
小説(口ぶえ;身毒丸;生き口を問ふ女;死者の書;寅吉;夜風)
初期文集(都賀野の牡鹿;八栗之秋;紀和地方修学旅行記;東京だより)
祝詞
校歌
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マーブル
5
小説の方が良いのではないか。 学術書では気になった、断定や類推が、ここでは問題にならず、文章の美しさや儚い目線が効果を上げている。もっと読まれてもいいのではないか。 そう思って次々読んでいく。美しさ。儚さ。怖さ。色んな顔が見えてくる。 良い。 しかし、こう未完の作品ばかりではどうしようもない。これは評価しにくかろう。端々に滲み出る、民俗学で調べたあれこれ。折口の民話や伝承について論じた文が、行間に感じられる。見てきたように語っていた古き日本の様を、自由に、伸び伸びと語る。2019/02/17