内容説明
千年の時の窯で色を変え、光源氏が一人称で語る橋本源氏―絢爛豪華に登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
meg
25
「花宴」「葵」「賢木」どれも面白かった!スタンダールを模したという橋本治。次巻からもお楽しみ。2024/03/21
てらこ
11
花宴から賢木まで。葵は、正妻と愛人のマウンティング、生霊事件、手塩にかけて育ててきた紫の君をついに…!などなど見所満載で好きなのですが、橋本先生の味付けでさらに読み応えズッシリ。賢木での六条御息所との別れも残酷で、源氏の狂気を感じる巻でした。それにしても、幼女を強奪したかと思えば60歳近い熟女にも手を出してみたり…源氏さまストライクゾーン広すぎます2019/11/22
蛸墨雄
6
すごいなぁ、このひつこいまでの修辞や情景、心理、状況描写、これは原文にあるんだろうか?まあ、光の君はすごい性欲(?)の持ち主やったんやなぁと思うことしきり。日本人の原点はここか?2018/09/06
nrk_baby
6
全14巻もあるうちの3巻まで読んだにすぎないけど、「葵」は屈指の名場面だと直感した。2014/02/08
優希
4
かなり沼地と化したと言ってもいいでしょう。葵上の死により、かつて父性を抱き引き取った少女・紫の上と契りを結んでしまう行には狂気を感じました。一身に寵愛しつつ、心の底では藤壺を恋い慕う。桐壷帝の死により、自らの罪を自覚しつつもその弱みの中で冷酷さと残忍さを持ちながらも恋を貫く気高さの2面性が光源氏の魅力なのかもしれません。そして六条御息所の情念ともいうべき源氏への想いに背筋が凍ります。ただ、全てが去ったとき、源氏の鎖が解かれ、「破局」の調べが流れ出します。まだ本当の贖罪を知らずにいるのは幸せなのでしょうか。2013/12/08