中公文庫
評伝 北一輝〈3〉中国ナショナリズムのただなかへ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 377p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122060128
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C1121

内容説明

明治四四年、北は辛亥革命が勃発した中国に渡り、宋教仁らを支援。だが、宋は暗殺され、国外退去に。後に、大川周明らの猶存社を活動の場所とする。日本革命に反転した北は、「政治的経済的特権階級ヲ切開シテ棄テル」とする、国家主義的『国家改造案原理大綱』を執筆。同書を読んだ朝日平吾が安田善次郎を刺殺して自決。「暗殺時代」が到来する。

目次

第1章 辛亥革命の渦中へ
第2章 宋教仁との再会
第3章 南京臨時政府の樹立
第4章 中華民国の成立
第5章 清朝の終焉
第6章 日本革命への反転
第7章 『日本改造法案大綱』
国家改造運動の成立 老壮会から猶存社へ―補足的に

著者等紹介

松本健一[マツモトケンイチ]
1946年(昭和21)群馬県生まれ。東京大学経済学部卒業。法政大学大学院在学中に『若き北一輝』(現代評論社)を発表。以後、日本の思想・政治・文学についての評論活動を展開。現在、麗澤大学教授。著書に、『近代アジア精神史の試み』(岩波現代文庫、アジア・太平洋賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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1
孫文でもなく、袁世凱でもない、もうひとりのキーマン宋教仁との思想的な共鳴のもとに、北一輝という特異な異邦人の眼を通して、辛亥革命を内側から描き出した本巻前半部は、評伝の一部であることを忘れるほどの白熱の記述で、松本版「支那革命外史」にもなっている。のちの革命観にインスピレーションを与え、評伝中の画期をなす挿話でありながら、それ以上に、こんな切り口で辛亥革命を語ることができるのか、という驚きと、道半ばにしてついえた理想の中国への想いが胸中をかけめぐった。天命に生き、天命に殉じた、ひとつの魂の帰趨を見届ける。2014/10/17

ishii.mg

0
なんとなく昭和かと思っていたらまだ大正だった。3巻目まできたがやっぱり一輝、好きになれない。ただしこの時代、右から左まで一緒に国家改造について議論する場があった。今なら意見が異なれば席を同じくせずとした分断の時代だが、堺利彦から大川周明までなんでもいたのだった。2023/06/22

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