感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
10
評者も40歳を契機に我流で自分史(自費)出版した(2月)。人は誰しも、庶民にも自分の人生という歴史をもっている(38ページ)。東大入試は今のような激烈な競争はなく、牧歌的な感じだったようだ(91-92ページ)。そして、如何に戦争がくだらないのか。人殺しを社会的に行っている最大の人権侵害行為。平和ボケと言われて久しいが、こうした時代に逆戻りの政治ではダメだな。二度と原爆を使ってはいけないが、原発事故という形で再発したことも悲劇。評者はまだ生き残れるのなら、2冊目を1冊目の自分史に積んだ内容を書いて出したい。2012/12/12
Midori Nozawa
8
とてもよい本でした。1部は色川氏の生きた歴史、2部は東京都下八王子におられた橋本さんという方の綴り方を広める人生です。3部は昭和天皇についてでした。全部良かったのですが、いちばんは3部でした。天皇制と戦争、キリスト教などの本を最近読んでいるので、関連がありますから。色川氏自身旧制高校で応召。検査で恥ずかしい思いも受けた。天皇が戦争の作戦を主導したのか否か、末期にもっと早く敗戦を認めたら何十万の人々の命は助かった。国体護持つきの無条件降伏とは天皇家の存続だけが大切。米国は天皇家を守り、軍事的に有利を得た。2020/07/22
あらびっくり
1
先日亡くなられた色川氏による自分史の先駆けと言われている著作。自分史というくらいなので、色川氏の戦中における体験をベースにした主観も当然入ってくるわけですが、その主観とみられる記述のなかで、戦争時における日本人の残虐性や天皇に対する不敬とも思える文言には、戦争経験の無い自分には少々理解しずらい面がありました。その後判明してきたGHQによる日本人を再び戦争に向かわせないための洗脳について知った現在の日本人からすると色川氏というよりは当時の洗脳されていた日本人全体の記録としての価値もあるように感じました。2021/09/16