内容説明
どうして、わたしたちってこんなふうに話があうのかな―。互いに性別を偽ったまま、千晶と秀紀は、ネット上で深く心を通わせるようになるが…。年齢や性別といった現実な枠を取り払ったところに生まれる関係を鮮やかに描き出す、全く新しい恋愛小説。
著者等紹介
石田衣良[イシダイラ]
1960年、東京都生まれ。成蹊大学経済学部卒業。広告代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て、97年、「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。2003年、『4TEENフォーティーン』で直木賞を、06年、『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
91
面白かったです。性別を偽ってネット上で交流する千晶と秀紀。アキヒトとキリコとして深く心を通わせていくのには、年齢や性別といった現実は関係ないのだろうなと思わされます。嘘が分かってギスギスしたときはどうなることかと思いましたが、秀紀の想いが千晶に伝わったときは感動しました。きっかけはネットだったかもしれないけれど、2人の恋は歪ではないと思います。ガッツリとした恋愛ものですが、テンプレとは少し外れたファンタジックさもある不思議な感じが良かったです。2016/03/12
masa@レビューお休み中
77
リバース。黒と白が反対になる。男と女が逆転する。嘘と真実の境目が失われていく…。嘘をつき、成りすますことは、悪しきことなのだろうか。それとも純粋な想いを紡ぎ出すために必要な行為だったのだろうか。互いの想いが惹かれ始めた途端に、バーチャルはリアルへとすり替わる。それは、面白いくらい見事に。あり得ないくらい自然に。スルリと入れ替わり男女が逆転してしまう。不自然であるはずなのに共鳴してしまう。渇望するかのように、求め合ってしまう。そんな二人が求めた先に見たものは絶望?それとも希望?一体どちらだったのだろうか…。2012/12/21
さおり
68
再読。そういえば私、読メの登録する時、はじめ男にしとこうかと思ったりしました。せっかく選べるのなら(誰も選べるとは言ってないけど)性別変えてみるのも楽しいかと・・・。考えてみれば、本の感想なんて心の中が出まくっちゃうから、すぐにお前女だろっ!ってばれちゃうんだろうけど。石田衣良さんは何冊かしか読んでませんが、プラス評価は今のところこの一冊だけですね。2014/09/23
みっこ
56
お互い性別を偽って登録したSNSで知り合い、やり取りするうちに相手に惹かれていってしまうというラブストーリー。ネット恋愛ものは読んだことがあるけど、互いに性別を偽っているという設定は初めてで面白かった。展開や結末は予測できちゃいますが(^^; メールのやり取りや二人の日常の描き方が丁寧なので、飽きずに読めました。石田衣良さんが書くセリフってなんだか小っ恥ずかしくて、時々赤面。。パーティーで薔薇の花束とか…。2013年出版なのに、なんとなくトレンディドラマっぽい(笑)2017/01/08
chi.m
54
お互いの性別を偽ったままメールのやりとりをする、秀紀と千晶。嘘と真実の境目は?本当の自分は?自分を隠しながら惹かれあっていく2人。ネット上の匿名性がやたらリアルで、男女の仕事観がそれぞれ印象的。「男らしく」「女らしく」じゃなくて「自分らしく」居られる関係、互いを思いやって魂が惹かれ合うような、そんな関係が一番良いと思う。2014/04/06